シーメンス・ジャパン、世界初ケーブルレスプローブ搭載超音波画像診断装置「ACUSON Freestyle」の販売を開始

2014.04.04

 シーメンス・ジャパン(株)は4月2日、ゲートシティ大崎ウエストタワー(東京都品川区)にて新製品の記者発表会を開催した。同発表会にて、この日に販売開始となった、超音波画像診断装置「ACUSON Freestyle (アキュソン フリースタイル)」を発表した。
 

織畠潤一氏
下山俊介氏
平山秀男氏
 初めに、織畠潤一氏(同社代表取締役社長兼CEO)が登壇。同製品は、昨年の同社の組織改編により新たに立ち上がった「超音波ビジネス本部」の、記念すべき最初の新製品となったと紹介した。
 続いて、下山俊介氏(同社超音波ビジネス本部本部長)が新製品を含んだ同社の超音波画像診断装置のラインアップについても触れ、「我々はこの領域で画期的なイノベーションを実現してきており、今回の新製品もマーケットで大きな広がりを見せるものと期待している」と述べた。
平山秀夫氏(同社超音波ビジネス本部)からは、新製品について詳細な説明がなされた。
 同製品は特に「Point of Care(患者に近いところで行われる検査の総称)」領域での使用に注力し、「使いたいときにすぐ」、「いつでも、どこでも」をコンセプトに開発。最大の特長は世界初のケーブルレスプローブを搭載している点である。これにより従来のケーブルがあることによる課題を解消し、次の4点を実現した。
 1点目は、「ワークフローの向上」である。 医療の現場では、清潔区域で操作補助するときの煩わしさ、装置移動の際のケーブル巻き込みによる断線リスクが常に存在するが、ケーブルレスとなることで、これらのリスクを取り除きくことができ、実際に検査を行う方々のストレスを低減することが可能となり、医療従事者のワークフローの改善が期待できる。
 2点目は、「装置レイアウトの可能性が拡がること」。同製品は、約3mという広範囲でプローブから装置本体の遠隔操作が可能なため、多くの医療機器や機材が密集するエリアでも、最適な場所に装置を配置することができる。
 3点目は、「自由なアプローチ」が可能となることである。ケーブルレスによって、正確な診断のために「診たい部位」を「診たい方向から」自由にスキャンすることができる。
 4点目は、「感染リスクの低減」である。 手術室などで清潔区域を維持することは不可欠であるが、これまでの超音波診断装置では、滅菌カバーをプローブのみならずケーブルまで含めて被せる必要があった。ケーブルレスプローブとすることにより、プローブのみを滅菌カバーで完全に覆うことができ、患者への感染リスクも低減できる。
 
 同発表会では、実際の製品を用いたデモンストレーションも行われたほか、同機を使用した手術直後の医師へのインタビューも紹介された。このなかで、「ケーブルレスの同機を使用することで、これまではケーブルにより無意識のうちに動きが制限されていたことを初めて実感した。プローブも適切なサイズで非常に使用しやすい」との感想が述べられ、同機を使用するメリットを象徴するコメントと言えよう。わが国での年間目標販売台数は、200 台を予定しているという。