畦元将吾氏(同社代表取締役社長)
重永 裕氏(兵庫県立姫路循環器病センター)
大下剛史氏(製鉄記念八幡病院)
木下良正氏(宗像水光会総合病院)
望月純二氏(みなみ野ハートクリニック)
後藤啓介氏(名古屋市総合リハビリテーションセンター)
阪本 剛氏(同社開発部製品企画グループグループ長)
南 学氏(筑波大学大学院)
岩野晃明氏(徳島健生病院)
三木聡一郎氏(東京大学医学部附属病院)
片平和博氏(熊本中央病院)
堀内哲也氏(同社取締役開発部部長)
(株)AZEは2014年6月7日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)において「AZE展2014」を開催した。AZE展は、ワークステーションを使用した画像(解析を含む)の臨床的有用性を高め、最良の画像(解析)を生み出すことを目的に開催されており、今回で5回目となる。開催にあたり、畦元将吾氏(同社代表取締役社長)は「AZE展で先生方のノウハウや発想、経験をより多く共有し、画像診断についての情報を先生方に提供していきたい。それによって患者さんの健康や命を守ることができると信じている」とした。
当日は厳正な審査を通過した10作品のプレゼンテーションが行われ、最優秀賞・優秀賞・特別賞が選出された。
最優秀賞は重永 裕氏(兵庫県立姫路循環器病センター)の「心房細動に対するアブレーション部位同定に心臓MRIの3D画像が有用であった症例」、優秀賞は大下剛史氏(製鉄記念八幡病院)の「MR細血管解析を用いた耳下腺内顔面神経の描出」および木下良正氏(宗像水光会総合病院)の「側頭筋静脈性血管奇形の術前評価」、特別賞は望月純二氏(みなみ野ハートクリニック)の「肺血流CTによる肺塞栓症評価」および後藤啓介氏(名古屋市総合リハビリテーションセンター)の「ワークステーションを利用した3Dプリンター活用法~スプリントの試作~」がそれぞれ受賞した。
最優秀賞を受賞した重永氏はプレゼンテーションにおいて「薬剤抵抗性心房細動の治療としてアブレーションが注目されている。アブレーションによって焼灼された組織は徐々に線維化し、造影MRIの遅延像で高信号を呈するが、左房壁は非常に薄く元画像だけでの造影部位の同定が困難である。そのため、造影MRAにて形態情報を、遅延造影MRIにて組織情報を取得し、それらをマルチボリューム機能で統合することで造影部位の同定を容易にする3D画像を作成した。この方法を使用することで焼灼の不十分な部位を同定し、以後の治療時間を大幅に短縮できる可能性がある」と述べた。
各入賞者のプレゼンテーション終了後、阪本 剛氏(同社開発部製品企画グループグループ長)による、同社製品「AZE VirtualPlace」と「AZE Phoenix」、同社のサービスの一つである「サーバ仮想化」などについての機能説明がなされ、「当社の製品は全世界で使用されており、2013年6月に発刊された『The New England Journal of Medicine』に『AZE VirtualPlace』を用いた論文が発表された」との報告がなされた。
その後、座長に南 学氏(筑波大学大学院)を迎え、岩野晃明氏(徳島健生病院)、三木聡一郎氏(東京大学医学部附属病院)、片平和博氏(熊本中央病院)の3名による特別講演が行われた。
はじめに岩野氏が「CT Colonography―前処置から画像解析まで―」と題した講演を行った。岩野氏は我が国の大腸がんによる死亡者数・罹患率が増加傾向にあるが、便潜血陽性者の精密検査受診率が約半分と低く、内視鏡検査の内視鏡挿入や多量の腸管洗浄剤の飲用への抵抗感、CT Colonography(CTC)における前処置の腸管洗浄剤の多量飲用が受容性低下の要因となっている可能性があるとした。そのうえで、岩野氏が行っている腸管洗浄剤低用量分割飲用法、炭酸ガス送気装置を使用した低速での大腸拡張、AZEの大腸解析ソフトの直行カット断面を使用した2体位比較による画像解析について触れ、受診者にやさしく従来の検査法と同等の検出能が得られるとした。
次に三木氏による「画像ビューアAZE Phoenixでの読影」と題した講演が行われた。読影件数が増え検査が複雑化している現在、いかに効率よく過去画像との比較読影を進められるかがビューアに求められているとした。そのうえで、「AZE Phoenix」に搭載されているタブ機能、スマートタグ、RECISTツール、スマートツールを併用したハンギングプロトコルなどの機能を用いることで、日常の読影業務をより効率的に行うことができるとした。
最後に片平氏による「統合型サーバー(WS+viewer)の臨床的有用性について」と題した講演が行われた。「AZE VirtualPlace」と「AZE Phoenix」のデータベースを統合することでシンスライスデータを一元管理することができ、従来「AZE VirtualPlace」上に保管しきれず、古いデータに上書きする形で新しいデータを残していたものが、優れた画像保存機能を備えた「AZE Phoenix」でシンスライスデータを管理することで、長期間のデータ保存が可能になるとした。これにより、後日の3D作成依頼にも円滑に対応可能となるほか、「AZE VirtualPlace」のワークリストを「AZE Phoenix」の使用、「AZE Phoenix」のレジストレーション機能を用いることで心臓CTの最適時相を容易に決定できるなどの利点があるとした。
閉会挨拶では堀内哲也氏(同社取締役開発部部長)がAZE展への参加について感謝を述べ、今回の発表内容を製品開発に生かしていきたいと締めくくった。
【AZE展2014入賞作品】
当日は厳正な審査を通過した10作品のプレゼンテーションが行われ、最優秀賞・優秀賞・特別賞が選出された。
最優秀賞は重永 裕氏(兵庫県立姫路循環器病センター)の「心房細動に対するアブレーション部位同定に心臓MRIの3D画像が有用であった症例」、優秀賞は大下剛史氏(製鉄記念八幡病院)の「MR細血管解析を用いた耳下腺内顔面神経の描出」および木下良正氏(宗像水光会総合病院)の「側頭筋静脈性血管奇形の術前評価」、特別賞は望月純二氏(みなみ野ハートクリニック)の「肺血流CTによる肺塞栓症評価」および後藤啓介氏(名古屋市総合リハビリテーションセンター)の「ワークステーションを利用した3Dプリンター活用法~スプリントの試作~」がそれぞれ受賞した。
最優秀賞を受賞した重永氏はプレゼンテーションにおいて「薬剤抵抗性心房細動の治療としてアブレーションが注目されている。アブレーションによって焼灼された組織は徐々に線維化し、造影MRIの遅延像で高信号を呈するが、左房壁は非常に薄く元画像だけでの造影部位の同定が困難である。そのため、造影MRAにて形態情報を、遅延造影MRIにて組織情報を取得し、それらをマルチボリューム機能で統合することで造影部位の同定を容易にする3D画像を作成した。この方法を使用することで焼灼の不十分な部位を同定し、以後の治療時間を大幅に短縮できる可能性がある」と述べた。
各入賞者のプレゼンテーション終了後、阪本 剛氏(同社開発部製品企画グループグループ長)による、同社製品「AZE VirtualPlace」と「AZE Phoenix」、同社のサービスの一つである「サーバ仮想化」などについての機能説明がなされ、「当社の製品は全世界で使用されており、2013年6月に発刊された『The New England Journal of Medicine』に『AZE VirtualPlace』を用いた論文が発表された」との報告がなされた。
その後、座長に南 学氏(筑波大学大学院)を迎え、岩野晃明氏(徳島健生病院)、三木聡一郎氏(東京大学医学部附属病院)、片平和博氏(熊本中央病院)の3名による特別講演が行われた。
はじめに岩野氏が「CT Colonography―前処置から画像解析まで―」と題した講演を行った。岩野氏は我が国の大腸がんによる死亡者数・罹患率が増加傾向にあるが、便潜血陽性者の精密検査受診率が約半分と低く、内視鏡検査の内視鏡挿入や多量の腸管洗浄剤の飲用への抵抗感、CT Colonography(CTC)における前処置の腸管洗浄剤の多量飲用が受容性低下の要因となっている可能性があるとした。そのうえで、岩野氏が行っている腸管洗浄剤低用量分割飲用法、炭酸ガス送気装置を使用した低速での大腸拡張、AZEの大腸解析ソフトの直行カット断面を使用した2体位比較による画像解析について触れ、受診者にやさしく従来の検査法と同等の検出能が得られるとした。
次に三木氏による「画像ビューアAZE Phoenixでの読影」と題した講演が行われた。読影件数が増え検査が複雑化している現在、いかに効率よく過去画像との比較読影を進められるかがビューアに求められているとした。そのうえで、「AZE Phoenix」に搭載されているタブ機能、スマートタグ、RECISTツール、スマートツールを併用したハンギングプロトコルなどの機能を用いることで、日常の読影業務をより効率的に行うことができるとした。
最後に片平氏による「統合型サーバー(WS+viewer)の臨床的有用性について」と題した講演が行われた。「AZE VirtualPlace」と「AZE Phoenix」のデータベースを統合することでシンスライスデータを一元管理することができ、従来「AZE VirtualPlace」上に保管しきれず、古いデータに上書きする形で新しいデータを残していたものが、優れた画像保存機能を備えた「AZE Phoenix」でシンスライスデータを管理することで、長期間のデータ保存が可能になるとした。これにより、後日の3D作成依頼にも円滑に対応可能となるほか、「AZE VirtualPlace」のワークリストを「AZE Phoenix」の使用、「AZE Phoenix」のレジストレーション機能を用いることで心臓CTの最適時相を容易に決定できるなどの利点があるとした。
閉会挨拶では堀内哲也氏(同社取締役開発部部長)がAZE展への参加について感謝を述べ、今回の発表内容を製品開発に生かしていきたいと締めくくった。
【AZE展2014入賞作品】
最優秀賞
「心房細動に対するアブレーション部位同定に心臓MRIの3D画像が有用であった症例」
重永 裕(兵庫県立姫路循環器病センター)
優秀賞
「MR細血管解析を用いた耳下腺内顔面神経の描出」
大下剛史(製鉄記念八幡病院)
優秀賞
「側頭筋静脈性血管奇形の術前評価」
木下良正(宗像水光会総合病院)
特別賞
「肺血流CTによる肺塞栓症評価」
望月純二(みなみ野ハートクリニック)
特別賞
「ワークステーションを利用した3Dプリンター活用法~スプリントの試作~」
後藤啓介(名古屋市総合リハビリテーションセンター)
入賞
「TBLB(経気管支肺生検)を支援するVE(仮想内視鏡)画像の有用性:第二報」
平野真理(札幌南三条病院)
「内視鏡下椎弓切除術に於けるワークステーションの手術シュミレーションとしての活用」
高橋伸光(奥州市総合水沢病院)
「心室頻拍(VT)に対するカテーテルアブレーション術前左室内腔3DCT画像の有用性」 阿部 駿(平鹿総合病院)
「標準アプリケーションでOK? EOB-MRIを用いた肝臓volumetry・肝切除シミュレーション」
渡部 茂(川崎医科大学附属病院)
「脊髄硬膜動静脈瘻に対するCTAの術前支援画像の有用性について」
金城一史(豊見城中央病院)