塩塚啓一氏
日立製作所は2014年8月26日、本社(東京都千代田区)にてクラウド事業強化に関する説明会を開いた。説明会では、塩塚啓一氏(同社執行役常務)と中村輝雄氏(同情報・通信システム社)がこれからのクラウド事業のビジョンと、具体的なサービスの内容について語った。塩塚氏は今後の国内クラウド関連市場について、提供サービスの拡充などによりパブリッククラウドの需要は急速に拡大すると予想。「2017年にはプライベートクラウドと同等の市場規模になる可能性がある」(塩塚氏)。同社は今後、クラウド事業強化を推し進める戦略を発表。これまで社内向けとして日立グループ32万人の利用実績を持つクラウドシステムを一般の顧客向けのサービスとして提供し、パートナーとの協創による強化を進める。そのサービスの第一弾として、顧客環境のプライベートブランドと同社のマネージドクラウド、そしてアマゾン ウェブ サービスをはじめとしたパートナークラウドといった複数のクラウドを、顧客のニーズに沿って適材適所に組み合わせ、同社からワンストップで提供するフェデレーテッドクラウドを基盤としたクラウドサービスを2014年10月より順次提供すると発表した。
中村輝雄氏
次に、具体的なサービスの内容について中村氏が説明。同社が提供するフェデレーテッドクラウドは、上記のクラウドをシームレスに利用可能とし、複数の異なるクラウド環境を一括して管理できるという。さらに、2015年の本格運用開始に向け、高速バックアップ用ネットワークサービス、利便性と安全性を両立させるセキュリティサービスも併せて説明。これらのサービスとともに顧客が低コストでのクラウドを活用できるよう、中村氏が「これまでのエキスを抽出したノウハウ」と語るクラウドシステムの構築ノウハウと利用技術をまとめた「日立クラウドデザインパターン」も提供していく予定。中村氏は「今後、2015年の運用へ向け第2弾第3弾とサービスを発表していきたい」と意気込みを見せた。
会場の様子