まず、川上 潤氏(GEヘルスケア・ジャパン(株)代表取締役社長兼CEO)が同社のこれまでの周産期女性医療に対する取り組みについて話した。
続いて、八幡 努氏(同社超音波本部Women’s Healthcareマーケティングマネージャー)がVoluson E10の特徴を説明。
Voluson E10には、従来のHDlive機能をさらに進化させた技術が2つ搭載された。「HDlive Silhouette」は、表面のエッジを残したまま、透明化することで、骨格や水分、臓器を透かして観察することが可能になった。また「HDlive Flow」では血流情報が表示できるようになり、また、「Electronic 4D プローブ」は、コンベックス型の広い開口に8,000以上の振動子を配列させたプローブで、電子的にプローブの厚み方向にも超音波を走査することができる。大量の受信データを高速に処理する能力を備えた本体技術との融合により、瞬時にボリュームデータを取得することを可能とし、同時に振動子を物理的に動かす必要がなく、受信信号をすべてイメージングするため、時間の制約と画質向上の両面を克服することもできるという。同氏はVolusonのイノベーションが超音波装置の新たな時代の扉を開けるでしょう」と結んだ。
川瀧元良氏(東北大学大学院医学系研究科融合医工学分野・神奈川県立こども医療センター(KCMC)新生児科)は、「新生児死亡原因第一位の先天性心疾患は、胎児診断により、早期診断、計画的治療が可能になり、生命予後、QOLの更なる改善が期待できる」と話した。
また今回同機に搭載された「Electronic 4D プローブ」は大きな可能性を秘めた新技術でこの技術の活用による胎児診断率の向上がこれからの課題と結論づけた。
最後に登壇した夫 律子氏(クリフム夫律子マタニティクリニック臨床胎児医学研究所院長)は、HDlive SilhouetteとHDlive Flowを使用することで従来よりも早い週数での胎児の脳室の構造や左右の耳の発達の違いなどさまざまな先天的異常をを見分けられるようになったという。また「超音波検査は、最新のマイクロアレイよりも多い情報が得られることも多々あり、出生前診断の1st Modalityと言える」と語った。