メディカルリサーチ、医療事故等の調査支援サービスに関するプレスセミナーを開催
‐Ai(死亡時画像診断)をサービスの柱に‐

2011.06.01

左:宮澤裕一氏    中央:山本正二氏    右:佐藤俊彦氏
 メディカルリサーチ(株)は5月27日、ファーストスクエア(東京都・大手町)にて医療事故等の調査支援サービスに関するプレスセミナーを開催した。
 同社は保険会社等で行われる医療分野に関する確認や医療調査に関するサポートを10年間にわたり行ってきた。同社の医療調査サポートサービスは大きく分けると、①専門医の医学的助言または所見、②医療調査に関わる依頼を整理する総合窓口の設置、③検査データやカルテなどのデータベース化の3つである。主なサービスは250名の読影医のネットワークを活用し、高度な医療画像の精査や鑑定、意見書の作成などの医療調査である。宮澤裕一氏(同社代表取締役社長)は、「提供するサービスの中では特に、近年注目され始めているAi(死亡時画像診断)に力を入れ、これをサービスの柱としていく」と強調し、医療以外の分野でも医師の専門性を活用していくと説明した。
 これを受け、Aiについて、山本正二氏(一般財団法人Ai情報センター代表理事) と佐藤俊彦氏(医療法人DIC宇都宮セントラルクリニック理事)が解説を行った。
 Aiとは死亡時に行う画像診断のことであり、遺体を損壊せずに客観的かつ再現性の高い医学情報を取得できる。またAiと解剖を比較すると、解剖は第三者による追試は困難だが、Aiは第三者による客観的評価が可能であるという特長がある。山本氏は「Ai情報センターは死後画像鑑定業務を日本で唯一行える組織で、2011年現在では一般の方々の方が自分たちよりAiを認識している」と強調した。
 佐藤俊彦氏は実際のAiの症例をいくつか供覧し、「Ai画像診断は撮影、機械の原理、臨床例など様々なところから訓練された画像のスペシャリストが読み、それを複数鑑定し、各分野の意見書と合わせていくことが重要である」と語る。また佐藤氏は「死亡調査や法医解剖などのサービスはアメリカでは定着しているが、死因不明社会といわれる現在の日本では十分な検死が行われることもなく事件性のある遺体が火葬されることもある。この機会に、メディカルリサーチのAiサービスのような事業を日本でも根付かせたい」と佐藤氏は抱負を語った。