GEヘルスケア・ジャパン、GEヘルシーマジネーション・カレッジを開催

2015.05.22

―これからの開業医の役割、プライマリ・ケアを支える超音波の可能性を示唆―

川上 潤氏(同社代表取締役社長兼CEO)
大橋博樹氏(多摩ファミリークリニック院長)
小川眞広氏(日本大学病院超音波室室長)
GEヘルスケア・ジャパン、GEヘルシーマジネーション・カレッジを開催
―これからの開業医の役割、プライマリ・ケアを支える超音波の可能性を示唆―

 GEヘルスケア・ジャパン(株)は、2015年5月15日、赤坂パークビル(東京都港区)にてヘルシーマジネーション・カレッジを開催した。テーマは「超高齢社会における開業医の役割とは?2025年医療モデルへの対応とプライマリ・ケアを支える超音波の可能性」。
はじめに川上 潤氏(GEヘルスケア・ジャパン(株)代表取締役社長兼CEO)
は「ヘルシーマジネーション・カレッジは今回で11回目で、医療に関する客観的な情報提供の社会的責任を担う必要性があり、弊社は未来型ヘルスカンパニーを目指している。2010年から始めた『Silver to Gold戦略』は一定の成果を上げており、医療課題解決へのイノベーション作りが必須である。日本は課題先進国であるので、分散型の医療の提供も大切だ」と述べた。
 続いて大橋博樹氏(多摩ファミリークリニック院長)は「2025年医療モデルと開業医の役割」と題し、「2025年問題は高齢化人口の増加という量的問題だけでなく、在宅医療の高度化という問題も抱えている。緩和ケアや幅広い診療能力が求められている。
 2017年に誕生予定の『総合診療専門医』は在宅になる前から介護者も含めて長い関係性を持てたり、全年齢を対応することもできる。更に、普段からがん検診や生活習慣指導、高齢者ケア・乳幼児検診・学校医・予防接種等、多職種との連携やコミュニケーションを図ることもできる。開業医の役割として『総合診療専門医』の誕生は今後期待できる」と締めくくった。
 最後に小川眞広氏(日本大学病院超音波室室長)は、超音波診断の長所と題し、「超音波は胎児にも使用可能なほど無害であるし、医師以外でも誰でも扱い可能。更に、診断装置としては安価であるのも利点だ。超音波診断は分解能の極めて高い検査法であるため様々な症例があったとしても、超音波であれば、たった数秒で病名を絞ることができる。的を絞れば、他に類を見ない時間・空間分解能が活かせるのだ。また、手のひらサイズのポケットエコーもあるため、触診補助としても非常に有用だ」と述べた。
 氏は「利点が多い超音波検査は患者のためにもっと有効に活用されるべきだ。ただ、どうして超音波検査が広く普及しないのかというと、そこには安価なものは精度が悪いなどのネガティブイメージや、超音波検査への理解不足も大きく係ってくる。超音波検査の有効利用には医師の意識改革も必要で、そのためには患者側からのニーズも必要になってくる。今後超音波検査は、あらゆる診断・治療に役立ち、今後の医療で有効に医療連携されることを期待する」と述べた。

会場の風景