コニカミノルタ(株)は2015年5月21日に品川プリンスホテル(東京都港区)にて、「事業提携と新製品発表会」を開催した。
最初に秦 和義氏(同ヘルスケア事業本部執行役)が同社のヘルスケア事業と超音波画像診断領域での顧客価値拡大について説明した。同社はカセット型DR「AeroDR」が国内トップクラスのシェアを誇り、従来の半分程度の被ばく量や画質の良さ、軽さと丈夫さの両立など快適なワークフローを提供している。現在は超音波診断分野に注力しており、今回の会見の中で、Super Sonic Imagine社(フランス)と業務提携し、同社の超音波画像診断装置「Aixplorer」を日本国内で独占販売することを発表した。同製品は生体組織の弾性測定では先進的な製品として、乳腺や肝臓領域を中心に世界市場で高い評価を得ているという。この度、システムのハードウェアを一新、アプリケーションも充実させたことで幅広い診療科での診断に貢献するという。
次にJacques Souquet氏(Super Sonic imagine社Exective VP/Chief Innovation Officer)が「Company Presentation」を行った。「Aixplorerはハードウェアではなくソフトウェアであり、50か国で1,000台以上購入され、現在も市場に衝撃を与え続けている。ソフトウェアなので設計思想も斬新で、臨機応変に対応できる。他社の追従ではなく、我々こそが革新的なものを送り出している」と話した。
最後に榎戸克年氏(昭和大学江東豊洲病院乳腺外科)が「ShearWave Elastographyの臨床的有用性」と題した講演を行った。まず、Shear Wave Elastography(以下、SWE)の特長について外部からの加圧や加振が不要で、定量値を用いた表示が可能。硬い組織は青、軟らかい組織は赤で表示され、カラー画像も2~3秒で安定するという。
SWEは定量値を測定する方法とカラーマップ画像を視覚的に診断する2つの方法で診断ができる。同製品は高分解能や近位部嚢胞内部構造の明瞭化による断層画像の超高画質化、診断精度の向上、穿刺針の視認性向上・より安全な手技の実現、高速処理、SWE機能による診断能の向上などが期待されるという。
同社はヘルスケア事業の基本ポリシーである「見えないものの見える化」にこだわり、価値ある医療用画像を提供することで、早期診断・治療の貢献に取り組んでいくとまとめた。