MathWorks、ユーザーカンファレンス「MATLAB EXPO 2015」を開催

2015.10.23
Roy Lurie氏
 MathWorksは、10月16日、ホテル グランパシフィック LE DAIBA(東京都港区)で、ユーザーカンファレンスを開催した。
 同社が開発するMATLABは数値計算用ソフトウェア。高水準言語およびインタラクティブ環境(対話型環境)で、信号画像処理、通信、制御システムなどの分野でアイディアを探して可視化したり、共同作業を行ったりできる。
 Roy Lurie氏(米国MathWorks MATLAB製品開発エンジニアリング担当バイスプレジデント )は、データ解析分野における同社の戦略、ならびにMATLABの優位性を最新の活用事例を交えて紹介した。
 MATLABの戦略は、以下の三点で、「MATLAB Anywhere」「Data Analytics and Machine Learning」「Platform Enhancements」である。
 「MATLAB Anywhere」、すなわち、「MATLABをどこでも使えるように」は、MATLABをパソコンにインストールしなくてもオンライン上で使用可能にしたり、MATLABを稼働させてMath Works Cloudでファイルの保管や、設定等を全て行えるようにした設計のこと。どんな人でも簡単に使いやすいものになることを重視していると、同氏は語った。
 「Data Analytics and Machine Learning」は、「データの解析と機械学習」という意味で、分析を掛ける前にデータを整理し、予測モデルを作ることで、誰にでもデータ解析が易しいものとなっている。
 「Platform Enhancements」では、「Platformの強化」を目的とし、新しいエンジンで既存のMATLABの速さを向上させ、約40%の向上が可能となった。
 MATLABはハードウェアサポートにおいても進歩をしているため注目してほしい、と同氏は述べている。一例として、デジタル信号処理用に設計された低コスト、シングルボードコンピュータのBeagleBoneBlackへのサポートなどが挙げられる。
 また、MATLABの未来的活用戦略の1つである「Computer Vision System Toolbox」は、コンピュータービジョンおよび映像処理システムの設計とシミュレーションのためのアルゴリズムで、特徴の検出、抽出、マッチング、オブジェクトの検出と追跡、動き推定、および映像処理を行うことが可能。同製品は、自動車業界や、宇宙、航空、また医療分野(特に放射線画像分野)で使用されていると同氏は説明した。例えば、画像診断において特性の検出、抽出、照合の後、幾何学的変換の推定を行って、自動的に画像の位置を合わせ、診断に役立つ。万人に使いやすい、常に新しいものを求めて、同社は開発に取り組んでいる。
会場風景