GEヘルスケア、ソフトバンクと医療IT事業で提携

2011.03.03
熊谷昭彦氏
宮内 謙氏
大塚孝之氏
握手を交わす熊谷氏と宮内氏

GEヘルスケア・ジャパン株式会社(以下GEヘルスケア)とソフトバンクテレコム株式会社(以下ソフトバンク)は、3月1日、ANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)にて、クラウドコンピューティングを活用したデータホスティング事業の共同展開を発表した。
同事業は、GEヘルスケアのPACSで医療画像を保管、管理、参照している医療機関が、その画像をソフトバンク保有のデータセンターを活用して院外保存するサービスをブロードバンド回線経由でのクラウド型サービスとして提供するもの。
はじめに熊谷昭彦氏(GEヘルスケア代表取締役社長)が「e-Health構想」を掲げて、「医療におけるコスト削減、アクセス向上、QOL(Quality of Life)の向上を目指した新製品、新サービスの1つとして、同事業に取り組む」とアピールした。
次に宮内謙氏(ソフトバンク代表取締役副社長)が「日本の医療現場、とりわけ医師にかかる過大な負荷が存在する」と指摘し、医療におけるICT(情報通信技術)化の推進役として、「クラウド、ネットワーク、タブレット端末やPHSなどのデバイスを総合的に提供できるのがソフトバンク」と語った。
最後にGEヘルスケアの大塚孝之氏(ヘルスケアIT本部長)が、「我々のPACSは、長期と短期と2つの保存領域を持っており、クラウドに最適だ。医療データは画像を含めて年々増加しているが、5年以上前のデータへのアクセス頻度は1%以下ときわめて低く、アクセスされないデータを管理・運用するコストは病院にとって重い。短期保存データを病院で、長期保存データをクラウドのデータセンターでそれぞれ分けて運用・管理し、課金を預け入れデータの従量とすることで、病院の管理・運用コストが軽減される。ソフトバンクは、ネットワークとデータセンターを一体に提供され、ディザスタリカバリ体制が構築しやすく、病院でのタブレットやPHSなどのデバイスシェアも高い」と提携するメリットを語った。
両社の提携は、地域医療連携や遠隔画像診断など、医療機関間のデータ共有のさきがけとして期待される。