同展示会の開催に当たって、まず、島津メディカル代表取締役社長である中西康彦氏が「当社では20年前からプライマリケア市場での販売に取り組むようになり、汎用型X線装置“X’sy”は国内で6,100台以上が稼働するロングセラー商品となった。X線装置・フラットパネル・電子カルテが有機的に連携し、ワークフローを改善するシステム“SMS-Link”が搭載された機種も新たに発売されている。GEヘルスケアとは数年前から協力関係を結んでおり、互いに補完し合っている。今回発売される“Revolution ACT”についても、一生懸命に販売していきたい」と述べた。
次に、GEヘルスケア代表取締役社長兼CEOである川上 潤氏より挨拶と「Revolution ACT」の紹介が行われた。
同社では、高齢化による医療・介護などの社会保障費の増大が懸念される「2025年問題」に対抗するための医療再編を見据え、プライマリケア製品を展開。「手の届きやすい価格」「放射線科医や診療放射線技師でなくても使いやすいシンプルなワークフロー」と「ハイエンド製品にも使われる高級テクノロジーの搭載」を重視しており、普及型のCTである「Revolution ACT」もそれを体現した製品となっている。
これまで同社のハイエンドCTに搭載されていた逐次近似再構成法を応用した低線量の画像再構成法「ASiR」を普及型機種において初めて標準搭載。新開発の高感度型フルデジタルパネル検出器「フルデジタルDAS」との組み合わせで、被ばく低減と画質の向上を実現する。
「A(automatic=自動認識機能付き)CT」を謳う本製品の最大の特徴は、スキャン範囲を自動設定できる世界初の新機能「Smart Plan」である。最初の位置決め時の1クリックのみで、これまで手動で設定していたスキャン範囲を患者ごとに合わせて自動認識し、さらに本撮影から3D画像の作成まで一気に行える。また、正中体位をとれない患者の場合、画像の向きを自動で補正する機能も備えている。これらの機能による「楽な体勢」で「短時間の検査」が患者の負担を解消するとともに、シンプルなワークフローを実現。画像診断装置の操作に慣れていないクリニックや診療所でも、プライマリケアで重要な要素となる医師と患者のコミュケーションをより密なものにするツールとして、3D画像を簡単に出すことができるようになる。希望小売価格は2,150万円(本体のみ)、既に国内施設でも導入が決まっており、9月頃から本格稼働を始めるという。
川上氏は「“Revolution ACT”は操作性がシンプルなため、どのような機種からも変更がしやすい装置である。今後もGEヘルスケアは患者と医師がWin-Winの関係になるサポートをしていきたい」と結んだ。
会場では「Revolution ACT」のほか、GEヘルスケアからX線骨密度測定装置「GE DXA Chorale」やポータブル超音波診断装置「LOGIQe V2」、島津メディカルからは汎用型X線診断装置「X’sy Pro EFX Version」などのプライマリケア向け医療機器が展示された。
「GE DXA Chorale」はベッド一体型DXA装置としては最もスリムな奥行80cmで、今まで装置を設置することが出来なかったスペースの小さい施設や、内科などでの導入を狙う。2016年5月に発売されたばかりの「LOGIQe V2」は、ポータブル型の超音波診断装置としては珍しく、本体にプローブを2本同時接続が可能だ。モバイルバッテリーも搭載しており、往診先などで電源が無い場合にも対応する。
島津メディカルの「X’sy Pro EFX Version」は「SMS-Link」搭載の内科・小児科向けの汎用型X線装置。寝台にソフトマットを採用し、横たわった際の感触が柔らかい「ソフト天板」が使われているX線装置は「X’sy」のみであるという。付属品などは全て寝台の下のスペースに収納でき、最少設置スペースはわずか三畳に収まる。
会場では担当者が訪れた医療機器販売業者などに実際に実機を操作してもらうなどしながら、両社の幅広いラインナップのプライマリケア向け商品の提案を行った。
