別川俊介氏
綱川 智氏
平野俊夫氏
中西宏明氏
柵山正樹氏
大村裕彦氏
畠澤 守氏
野田耕司氏
鎌田 正氏
中村文人氏
古田克哉氏
12月13日(火)、帝国ホテル(東京都千代田区)にて、量子科学技術研究開発機構、住友重機械、東芝、日立製作所、三菱電機による「第5世代量子線がん治療装置の開発協力に関する包括的協定書」の調印式が行われた。調印式に続いて「量子メス」と呼称される第5世代治療装置についての質疑応答が行われた。
はじめに、平野俊夫氏(量子科学技術研究開発機構理事長)より概況の説明がされた。
量研機構は、1994年に重粒子線がん治療専用装置の開発に成功し、その後1万人を超える治療を行ってきた。超伝導技術による小型化やマルチイオン照射による高性能化を図った第4世代に加え、次世代重粒子線がん治療装置である第5世代量子線がん治療装置となる「量子メス」の開発を、4社の連携協力により推し進め、標的アイソトープ治療等も組み合わせて「がん死ゼロ社会」を目指して貢献していく。
技術面では、超高出力レーザー光(パワーレーザー)による新技術、核融合における超伝導コイル技術の導入により、加速器の小型化を図る。従来型の量子線治療装置のサイズと比較すると、第5世代「量子メス」では、病院建物内設置型の超小型量子線治療装置が可能となる。
また、従来の炭素イオンのみの照射に比べ、新開発の「マルチイオン(He、N、C、O、Ne等)照射」が可能になると、生物学的効果を十分に活用して、がん全体に強い照射が可能になり、特に中心部分にある放射線抵抗性がんに対する治療効果の一層の向上が期待される。
次世代量子線治療は、外科手術に替わるものとして「量子メス」と命名した。副作用が少なく免疫機能を温存でき、患者に対する負担の少ない、高いQOLを維持することが可能な次世代量子線治療により、がん死ゼロ社会を目指す。
これらの開発を進めるために、量研機構と4社の力を結集し協力していく所存であると同氏は述べた。
協定書の調印に続いて、各調印者の代表からの挨拶があった。
まず、別川俊介氏(住友重機械工業株式会社代表取締役社長)が「当社は第1世代から量子線治療装置に関わってきた。これまでの知見と経験を活かし、新しい技術開発に取り組んでいきたい」と述べた。次に、綱川 智氏(株式会社東芝代表執行役社長)が「日本が誇る技術と技術者魂の両方を合わせて、今後も重粒子線治療装置の開発を継続し、世界に発信していく」と述べた。中西宏明氏(株式会社日立製作所取締役会長兼代表執行役)は「治療装置の開発は人の命を助けることが実感できる事業だ。国と企業が力を合わせてリソースを共有し、事業を成功させたい」と述べた。柵山正樹氏(三菱電機株式会社執行役社長)は「小型化、高性能化を達成するために、当社が培ってきた様々な経験を役立たせ、がん死ゼロ社会の実現に貢献したい」と述べた。
最後に、平野俊夫氏が今回の協定の意義について、「量子メスの普及により、がん死ゼロ社会、健康長寿社会に貢献できる」「日本が世界をリードしている量子線治療の分野において日本の代表的な4社が結集した」「国の機関である量研機構と企業が包括的な提携を結ぶことで、今後の産・学・官連携の在り方のティピカルなモデルケースになる」との3点を述べ挨拶を終えた。
質疑応答では、野田耕司氏(量研機構放射線医学総合研究所長)ほか、量研機構と各社の担当者が実現化の時期や将来的なコストの問題等について回答した。
第5世代量子線がん治療装置の試作機の完成は10年後を目指しているが、5、6年後など、開発の過程で少しずつ成果を出していける予定であること、将来的に世界で毎年500台程度、1兆円以上の市場になると予想されることから、建設費、医療費の低コスト化が見込まれること等が説明された。
はじめに、平野俊夫氏(量子科学技術研究開発機構理事長)より概況の説明がされた。
量研機構は、1994年に重粒子線がん治療専用装置の開発に成功し、その後1万人を超える治療を行ってきた。超伝導技術による小型化やマルチイオン照射による高性能化を図った第4世代に加え、次世代重粒子線がん治療装置である第5世代量子線がん治療装置となる「量子メス」の開発を、4社の連携協力により推し進め、標的アイソトープ治療等も組み合わせて「がん死ゼロ社会」を目指して貢献していく。
技術面では、超高出力レーザー光(パワーレーザー)による新技術、核融合における超伝導コイル技術の導入により、加速器の小型化を図る。従来型の量子線治療装置のサイズと比較すると、第5世代「量子メス」では、病院建物内設置型の超小型量子線治療装置が可能となる。
また、従来の炭素イオンのみの照射に比べ、新開発の「マルチイオン(He、N、C、O、Ne等)照射」が可能になると、生物学的効果を十分に活用して、がん全体に強い照射が可能になり、特に中心部分にある放射線抵抗性がんに対する治療効果の一層の向上が期待される。
次世代量子線治療は、外科手術に替わるものとして「量子メス」と命名した。副作用が少なく免疫機能を温存でき、患者に対する負担の少ない、高いQOLを維持することが可能な次世代量子線治療により、がん死ゼロ社会を目指す。
これらの開発を進めるために、量研機構と4社の力を結集し協力していく所存であると同氏は述べた。
協定書の調印に続いて、各調印者の代表からの挨拶があった。
まず、別川俊介氏(住友重機械工業株式会社代表取締役社長)が「当社は第1世代から量子線治療装置に関わってきた。これまでの知見と経験を活かし、新しい技術開発に取り組んでいきたい」と述べた。次に、綱川 智氏(株式会社東芝代表執行役社長)が「日本が誇る技術と技術者魂の両方を合わせて、今後も重粒子線治療装置の開発を継続し、世界に発信していく」と述べた。中西宏明氏(株式会社日立製作所取締役会長兼代表執行役)は「治療装置の開発は人の命を助けることが実感できる事業だ。国と企業が力を合わせてリソースを共有し、事業を成功させたい」と述べた。柵山正樹氏(三菱電機株式会社執行役社長)は「小型化、高性能化を達成するために、当社が培ってきた様々な経験を役立たせ、がん死ゼロ社会の実現に貢献したい」と述べた。
最後に、平野俊夫氏が今回の協定の意義について、「量子メスの普及により、がん死ゼロ社会、健康長寿社会に貢献できる」「日本が世界をリードしている量子線治療の分野において日本の代表的な4社が結集した」「国の機関である量研機構と企業が包括的な提携を結ぶことで、今後の産・学・官連携の在り方のティピカルなモデルケースになる」との3点を述べ挨拶を終えた。
質疑応答では、野田耕司氏(量研機構放射線医学総合研究所長)ほか、量研機構と各社の担当者が実現化の時期や将来的なコストの問題等について回答した。
第5世代量子線がん治療装置の試作機の完成は10年後を目指しているが、5、6年後など、開発の過程で少しずつ成果を出していける予定であること、将来的に世界で毎年500台程度、1兆円以上の市場になると予想されることから、建設費、医療費の低コスト化が見込まれること等が説明された。