米国医療機器・IVD工業会、AMDD設立10周年記念特別講演会を開催

2019.09.19

 米国医療機器・IVD工業会は、9月12日、帝国ホテル東京(東京都千代田区)で、AMDD設立10周年記念特別記念講演会を開催した。末松 誠氏(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)が、「AMEDのミッション:データリンケージとシェアリングによる医療分野の課題解決」という演題で講演を行った。
 かつて50歳以上の人口が5人に1人だった日本も長寿大国となり、高齢化が急激に進んでいることが深刻な問題となっている。今や3人に1人が65歳以上であるうえに、若い人でも難病や日本における稀少症状で悩む患者も当然おり、高齢化や未診断疾患は迅速に解決するべき医療の課題となっている。
 末松氏は課題の解決方法に「NIIのAIエンジン」を活用した病理診断を挙げた。学術情報ネットワークが日本全国の大学、研究機関の学術情報基盤として構築し、運用している情報通信ネットワークであり、海外ではガバナンスとして扱われているNII。末松氏はこのネットワークにより、日本全国から情報を集め、海外とも共有することで医師がより多くの患者に対し、「患者が納得できる診断」を行う計画を示した。最終的にはこのシステムを日本国内にとどまらず、海外にも展開していくことを目標に掲げた。
 いずれは認知症などの治療にも活用するという。男女ともに平均寿命が高くなり、100歳以上の人口も増加していくと考えられている日本には早急に必要とされるであろうシステムに、期待は高まるばかりだ。

末松 誠氏