GEヘルスケア・ジャパン、第3回ヘルシーマジネーション・カレッジを開催。日本開発の新製品「LOGIQ S8」 を発表

2011.09.30
川上 潤氏
飯島尋子氏
鈴木陽一氏
記者会見の様子
「LOGIQ S8」
GEヘルスケア・ジャパン(株)は9月29日、 赤坂パークビル(東京都港区)にて「第3回ヘルシーマジネーション・カレッジ」を開催した。同会は「超高齢社会日本で密かに進む新たな国民病」をテーマに、今後の日本で問題になる 最新疾患を紹介するというものだ。
開会に先立ち、川上 潤氏(GEヘルスケア・ジャパン(株)代表取締役社長兼CEO)が「弊社は“ecomagination”“healthymagination”という2つのイニシアチブを掲げており、この2つの理念をもとに地球規模で直面している問題を解決したい」と挨拶。その営業戦略としてCare Area Focusを考えており、超高齢化社会でニーズが高まる分野に、製品単体としてではなく様々なものを結び付けた総括的な形で提供していくこと、そして臨床医師から熱望される精度の高い画像診断装置の開発に意欲をみせた。
続いて、飯島尋子氏(兵庫医科大学)が「沈黙の臓器“肝臓”に宿る特有の潜在リスクと最新診療方を徹底解剖」をテーマに講演。慢性肝炎や肝硬変になっても自覚症状が出ないことが多い肝臓について、糖尿病や脂肪肝との関連性や肝細胞癌サーベイランス・アルゴリズムに関する症例を交えながら解説し、「肝臓癌の早期発見は必要不可欠。超音波をはじめとした画像診断はもちろん、インターフェロンでの治療が重要になってくる。日本国民の食生活変化による成人病なども関連することなので、合わせて治療していくことが重要だ」と講義した。また、世界の肝癌疾患患者の分布データにも言及し「統計では、世界の肝癌患者数の79%をアジアが占めており、B型・C型肝炎ウィルスがその原因とみられている。ここにきて、ベトナム戦争時にウィルス感染した患者が自国に戻った後に発症するなど、アジア以外でも症例が見受けられるようになった。そういった点からも、現場では超音波ナビゲーションをはじめとする最新の治療方法を求める声が高い」とも述べた
その後、鈴木陽一氏(GEヘルスケア・ジャパン(株)超音波技術本部長)が、 同社の取り組みを発表。肝癌患者の高齢化に対応するためには、検査自体の負担が大きいこと、開腹手術をはじめとした侵襲性の高い治療に耐えるのが困難といった課題の解決が必要とし、「低侵襲かつ精度の高いラジオ波焼灼術などが治療に有効だ。そのためにも腫瘍の早期発見は不可欠である。超音波、CT、MRIといった機器の特性を組み合わせた提案で腫瘍の早期発見につなげていきたい」と説明。さらに同社新製品「LOGIQ S8」についても解説し、「超音波造影検査のワンタッチ化」、「軽量かつコンパクトな本体デザイン(重量約85キロ)」、「左右・上下スライドが可能な19インチ高解像LCDモニタを搭載」といった点を強調した。また、会場では「Volume Navigation」 機能への関心が高く、CTやMRIなどの画像診断装置で撮影した画像と超音波イメージを同一画面に表示し、GPSによるマーキング部分をリアルタイムに比較できる点が評価されていた模様だ。また、「LOGIQ S8」 は日本発の製品として、アジア市場をはじめとした海外への輸出を視野にいれているという。