世界初、災害医療に対応したモビリティ・ソリューション「Medical-ConneX」~CT装置と生化学・免疫装置を同時に搭載~

2021.11.11

 シーメンスヘルスケアの新しいモビリティ・ソリューション「Medical-ConneX(メディカル・コネクス)」の1号機が完成し、11月9日(火)、共同記者発表会および車両見学会が行われた

 CT装置と生化学・免疫装置を同時に搭載した世界初の移動型医療ソリューションは、東京都指定災害拠点病院であり、東京DMAT指定病院である東京曳舟病院に導入される。

導入にあたり森 秀顕氏(シーメンスヘルスケア株式会社 代表取締役社長)は、「今ある医療問題、これから起こり得る医療問題に対応し、すべての方々に安心・安全な質の高い医療を届けることを目的としています」と語り、続いて古城資久氏(伯鳳会グループ 理事長)が、「これまでは助けられなかった命も画像診断、生化学検査がその場で行えることで救命率が上がり、救急医療がグレードアップします。災害医療に活躍する車両が全国の要所に配置されることになれば、山間部やへき地などの被災現場の大きな力となるのではないでしょうか」と述べた。また、山本保博氏(医療法人伯鳳会 東京曳舟病院 病院長)は、「Medical-ConneXが国内だけでなく海外に対しても大きなアドバンテージになると考えています。次のステップとして、自宅と病院の中間的な施設、ホームとホスピタルの間の病床施設のような役割を果たすHomespitalとなってくれることに期待しています」と述べた。

 これまでも救急災害医療に必用不可欠な検査装置を備えた先進的な移動型車両が求められてきたが、技術面・価格面での課題が残っていた。技術的な問題点として、①免疫・生化学分析装置を車載できるのか、②狭い車両空間にCT装置を設置し、かつ画像診断の専門医がいない状況をどうするのか、③同一車両内にコンパクトに設置できるのかが挙げられていたが、これらの問題も見事にクリア。山本宣治氏(シーメンスヘルスケア株式会社アライアンス事業推進本部 本部長)は、「わずかな水の備蓄量で測定が可能になり、頑丈なデザイン、被災状況に適した柔軟な対応、幅広い検査項目の設定、簡単な操作で高い処理能力を持つなど技術的な問題を解決し、経済面でもコストダウンを図っています」と語った。

 医療格差があるところへの運用が可能なMedical-ConneX。災害医療に加え、新型コロナウイルス対策など、さまざまな用途で利用できる。新たな価値を生む医療車両として期待が高まっている。

災害医療に対応したMedical-ConneX(メディカル・コネクス)

お問い合わせ先
シーメンスヘルスケア株式会社 コミュニケーション部
電話:080-5972-6036 Eメール:rie.nakagawa@siemens-healthineers.com