GEヘルスケア・ジャパン、第1回TOMO友の会を開催。GEトモシンセシス搭載デジタル一般X線撮影装置ユーザーズミーティング

2011.10.05
櫻井 諭氏
阿部祐次氏
虻川雅基氏
渡辺亮二氏
山本賢二氏
本田育子氏
田沢範康氏
油原俊之氏
会場の様子
GEヘルスケア・ジャパン(株)は10月1日、赤坂パークビル(東京都港区)にて「第1回TOMO友の会」を開催した。
開会に先立ち、櫻井 諭氏(GEヘルスケア・ジャパン(株)X線営業部部長)が「弊社は2000年にフラットパネル搭載X線撮影装置を販売開始し、以後もフラットパネルの特性を生かしたアプリケーションの開発に注力してきた。国内外の学会に目を向けると、トモシンセシスの発表が格段に増えている。弊社は今後も皆様からのお知恵を拝借し、より良い製品づくりに改良・革新に励んでいきたい」と抱負を述べた。
講演では、まずはじめに阿部祐次氏(財団法人脳血管研究所美原記念病院画像診断科)が「GE社製DiscoveryXR650 TS 3Dの経験」を発表。「アドバンスドアプリケーションの操作が容易であり、画像処理能力が早い点が良い」という評価と、今後さらに期待したい点として、ワイヤレス対応、フライングディテクターの小型・軽量化等を挙げた。また、被曝線量を下げるための検討を重ねていきたいと語った。
次に、虻川雅基氏(札幌医科大学附属病院放射線部)が「DiscoveryXR650の使用経験」について報告。「高い生産性ワークフロー(作業工程)や画像表示時間の短縮が負担軽減につながっている」と語った上で、トモシンセシスに関して「撮影時にCT検査のような予約がいらない点、被曝量が少ない点、自然加重位撮影画像が取得できる点に満足している」と評価した。今後は、再構成時間の短縮、パラメーターの自由度などについて、改善を期待しているとのことだ。
 渡辺亮二氏(医療法人社団武蔵野会朝霞台中央総合病院放射線科)は「Definium 8000 使用経験」と題して報告。「VolumeRAD(トモシンセシス)はCT・一般撮影・断層撮影の各々の利点を合わせた検査だと思われるため、しっかりとその活用方法を検討していく」とまとめた。今後の課題として、臥位での撮影領域・画像処理スピードの向上を挙げた。
 山本賢二氏(日本赤十字安曇野赤十字病院放射線科)は「当院における一般撮影の現状」を発表し、DiscoveryXR650をはじめとしたFRD装置の利点として、「胸部・腹部検査ではCRの読み取りスピードに比べて圧倒的に早い。臨床的な印象として、撮影線量がCRに比べ約30%少なくても十分な画質を得られる」と評価。操作パネルの入力応答スピードの改善、日本語表記への対応、画像処理マーカーのサイズなどを課題とした。
 本田育子氏(大阪大学医学部附属病院医療技術部放射線部門)は「トモシンセシスの基本特性~上部頸椎撮影の応用~」について考察し、Definium8000を使用したトモシンセシスの基本特性を調査。「一般撮影では限界がある部位に対して臨床応用することを目的に、振角・曝射範囲を検証した。上部頸堆撮影への応用のプロコトールとして、振角30度、収集数60shot、回転中心位置9㎝、スカウト撮影の条件としてGrid+ 80kV AEC 線量倍率10倍が望ましい」と発表した。
 田沢範康氏(財団法人芙蓉協会聖隷沼津病院/聖隷沼津健康診断センター放射線課)は「トモシンセシス精密による胸部検診での臨床実績報告」を発表。胸部検診での臨床実績を報告し、「迅速で低線量、低料金であることが患者の不安や負担の軽減につながった。そしてCT精密受診者の偽陽性が減少し、無駄なCT被曝化を減らせた点が評価できる」と述べた上で、「DES撮影の弱点を補えるトモシンセシス精密は精密対象者の振り分けに有効である」と語った。
 油原俊之氏(東京女子医科大学東医療センター放射線科)は、Definium8000でのトモシンセシス検査部位について、「主に副鼻腔検査に活用しており、これにより多方向撮影が省略できた」と評価。また、トモシンセシスの利用目的として、一般撮影の延長で3次元的把握ができること、頭頸部をはじめとした金属周囲の評価、CTに比べ被曝線量が軽減されていること、立位および荷重位での撮影、高い空間分解能などを挙げた。