~新型コロナウイルス第6波に向き合う~
島津製作所は、1月6日、PCR検査のプール検体を自動調整する検体前処理装置「Amprep」を発売に合わせ、記者会見を行った。
はじめに、開発責任者である中川利人氏(分析計測事業部スペクトロビジネスユニット長)は、「Ampep」は、これまで人手を介して行われていた、唾液や鼻咽頭拭い液などの分注・攪拌といった前処理工程を全自動化した製品である。国内で初めて、プール検体の前処理装置として医療機器登録を行った。2020年に発売したPCR検査装置「AutoAmp」と「Amprep」を組み合わせて使うことで、「個別検体や前処理したプール検体のデータをより簡単に安全に管理できる」と説明。今後の展開として、「これから続くであろう感染症対策のプラットフォームとしてより充実させたい」と語った。
つづいて、花房信博氏(分析測定事業部ラボメカトロビジネスユニットマネージャー)は、「プール法で検査を行いたいというニーズの高まりがある。プール法は、「複数の検体を混合して同時に検査」する方法であり、この方法を用いることで、「検査時間や費用を効率化」や「陽性率の低い集団に対して」の検査に有効な検査法」と語った。
花房氏は、同製品の特長を3つ上げた。
まず、プール検体を全自動で調製してくれることだ。これにより、「直接検体に触れる機会を減らし」、検査員の安全を確保する。さらに、煩雑な作業がなくなり、「人為的ミスの防止」にもつながる。
2つ目の特長は、「1プール検体の調整がわずか15分」であることだ。「Amprep」は、「最大20個の個体検体をセット可能で、プール検体として最大4プール検体を同時に調製」する。短時間で検体調製が可能だと述べた(図1)。
3つ目の特長は、「省スペースな卓上型」であることである。「Amprep」の本体サイズは、幅305×奥行655×高さ660とコンパクトなサイズで、手狭な検査室に導入しやすい作りになっている。
「Amprep」は、検査効率の向上だけではなく、検査員の安全も考えられた製品である。