企業におけるがん検診の受診率向上を目指す「がん対策推進企業アクション」による統括セミナーが、2022年3月4日(金)に星稜会館(東京・千代田区)とオンラインにて開催された。
まず、約3,500の推進パートナーから、がん対策に積極的に取り組んだ企業や団体への表彰が行われた。厚生労働大臣表彰 最優秀賞はアフラック生命保険株式会社が受賞した。
続いて行われた講演では、がん検診受診への取り組みや治療についての現状などを紹介した。
福吉 潤氏(株式会社キャンサースキャン 代表取締役)による講演では、「受診率を上げるであろう取り組み候補を36ピックアップし、700社へのアンケートを行った。その結果、企業による検診の体制5件、結果の把握3件、受診の勧奨や啓発が4件と、がん検診の受診率向上に繋がる12の取り組みが見えてきた」と語った。
次に、中川恵一氏(東京大学大学院医学系研究科 総合放射線腫瘍学講座 特任教授)による「進化する企業アクションとコロナで減る“がん患者”」の講演が行われた。
「COVID-19によりがん検診の受診が減っており、見かけ上がん患者が減っている状況。また、COVID-19前と比較すると早期発見のがんが減り、進行がんが増えている」と述べ、診断が減ることで治療件数も減り、結果がん死亡率の上昇に繋がるとした。また、厚生労働省でも、がん検診は不要不急ではないと啓蒙していることに触れ、がんの早期発見の重要性についても述べた。
最後に、中川氏は「手術は減っているが、放射線治療の件数は増えている。治療の際の通院回数も少なく、COVID-19に強い治療とも言える」とし、がん治療の現在の状況を語った。
がん対策推進受賞企業
・厚生労働大臣表彰 最優秀賞
アフラック生命保険株式会社
・がん対策推進パートナー賞「検診部門」
サントリーホールディングス株式会社
・がん対策推進パートナー賞「治療と仕事の両立部門」
日本電気株式会社
・がん対策推進パートナー賞「情報提供部門」
ブラザー工業株式会社
・がん対策推進パートナー賞「中小企業部門」
日本ナレッジスペース株式会社