Siemens Healthineers

2024.12.09

MAGNETOM Flow

 MAGNETOM Flowは初めてヘリウムフリー構造が採用され、クエンチパイプを必要としない小型・軽量設計を実現した1.5T MRI装置である。これにより設置は遙に容易になり、電力消費量をも最大40%削減できるなど,優れた経済性と効率的なワークフローで持続可能な病院経営に貢献する。

 被検者に装着するブランケット型コイルには、新たに開発されたポジションセンサーが搭載されたことで、レーザーライトを表示して撮像位置を合わせる操作が不要になった。また、AIによって撮像位置を自動認識する機能や自動撮像支援機能により、操作者のスキルレベルに依存しない効率的で一貫した撮影が可能となった。また、MRI 画像の再構成技術Deep Resolveは撮像時間を50% 短縮しながら、空間分解能を倍増させた高精細な画像を提供する。このように、MAGNETOM Flowは患者の軽減に加え、検査の効率化、電力消費の低減など、病院経営の効率化に大きく貢献するMRIである。

BIOGRAPH One

 BIOGRAPH Oneは、「Biograph mMR」の後継機種となる第2世代のPET/MRI装置である。MRIにはMAGNETOM Vida」を、PETには「Biograph Vision」を搭載。PETとMRを統合した包括的な検査を提供することで、個別化医療の決定、定期的な治療評価まで、高精度かつ効率的なアプローチをサポートする。


 本製品はDeep Resolve と連携して設計されていることから、検査の高速化を実現した。さらに35cmのFOVを持つOptiso UDR Pro検出器は、優れた感度と超高速TOFを可能とし、リアルタイムでより詳細な画像を取得できる。また、BioMatrix Contour XL coilsが寝台にセットされていることから、セットアップ時間の短縮と放射線被ばくの最小化も可能だ。 BIOGRAPH Oneは精密な定量化、超高速TOF性能、高品質なMR画像を実現させ、患者中心の治療計画をサポートしていく。

Biograph Trinion

 Biograph Trinionは、空冷式の半導体検出器を採用したPET/CT装置である。高い空間分解能と239 psの超高速TOF性能をもつ空冷式のデジタルPET検出器を搭載したことで、高速で被ばく線量の少ないPET撮像が可能となった。空冷式を採用したことでチラーの設置が不要となり、コンピュータもガントリに収められる等、コンパクトな設置が可能で使用電力を最大65%削減する、設置性と経済性に優れた本体設計となっている。


 本製品は画像化に寄与しない無効被ばくをカットするTin filterにより、高画質かつ低被ばくなCT検査を実現。また、シーメンスのPET/CT装置としては初となる全自動撮影システム「myExam Companion」の搭載したことで、検査前のquality controlから撮像、検査後の画像再構成、画像処理・転送を自動化できるようになった。さらには、毎朝、自動でQCを行う「Quality Guard」や検査前にポストプロセッシングを設定しておくことで自動処理する「Recon&GO」などを搭載している等、Biograph Trinionは業務の効率化と、ユーザー負担の軽減に貢献する。

NAEOTOM Alpha.Peak

 今回RSNAでは、フォトンカウンティングCTの次世代機種ともいうべき装置が3台同時に展示された。


 本機種は、同社の誇るCT装置の最高機種に位置づけられる。本機は、新しい患者の治療法を模索し、画像診断の限界を押し広げることを目指す。


 デュアルソーステクノロジーによる高速スキャンを組み合わせることにより、臨床現場や研究機関で大きな期待が寄せられる。さらに、すべてのスキャンで高解像度、低線量、スペクトル画像が得られる(薬機未承認)。

NAEOTOM Alpha.Pro

 同社の誇るフォトンカウンティングCT。超高空間解像度により、従来のCTよりも冠動脈の診断評価が向上する。デュアルソースの時間解像度により、心臓弁に関するが新たな画像が所得できる。


 決定的な画像で診断パフォーマンスを加速し、医師が迅速に診断を下せるよう支援する。


 特に実際の臨床現場では、β遮断薬を使用せずに心臓病患者を撮像し、小児科の画像診断を向上させ、呼吸器科患者の自由な呼吸撮影も可能にする。(薬機未承認)

NAEOTOM Alpha.Prime

 フォトンカウンティングCT。NAEOTOM Alpha.Primeは0.2mmスライス厚で、神経学領域において高い精度を提供し、脳卒中、脳動脈瘤、内耳の評価などの画像診断をより向上させる。


 量子テクノロジーは、腫瘍の検出、その特性の評価、可視化向上をサポートする。治療計画や生検、アブレーションなども実現可能だ。(薬機未承認)

SOMATOM On.site

 SOMATOM On.siteは臨床現場で役立つ、移動可能なポータブルCT装置である。


 ICUや救急車内で使用可能であるためベッドサイドでの撮像が可能になり、初めてのテレスコープ式ガントリの採用によって患者側の位置調整が低減し、モーションアーチファクトを最小限に抑える。前後の放射線カバー、鉛入りテレスコープ式ガントリ、CARE 2D Cameraなどで構成されるため、スタッフと隣接する患者に対する放射線からの安全も確保する。特に急性期脳梗塞に対する血栓溶解療法の必要性判断など、その場でCTを撮影し、確認できる。頭部専用のCT装置。(薬機未承認)

ARTIS icono D-Spin

 ARTIS icono D-Spinは、脳血管内治療にフォーカスした画像診断装置である。本製品のアームは、フレキシブルかつスピーディーな動きにより撮影時間を短縮させ、新たなイメージガイダンス機能の搭載により、見たい領域を高精度かつ瞬時に表示できるようになった。3D回転撮影では、従来の左右方向の一定軌道回転から頭尾方向の傾斜を加えた独自の二重軌道回転機構となったことで、多方向のスキャンデータによる3D画像再構成を実現。

 3D回転撮影では従来の左右方向の一定軌道回転から、頭尾方向の傾斜を加えた独自の二重軌道回転機構となったことで多方向のスキャンデータによる3D画像再構成が可能となった。また、新デザイン側面アームは、頭部用セッティングと循環器用セッティングをボタン1つで切り替えることができるようになり、透視・撮影条件、Cアームプロジェクション、FDズームサイズ等の設定も1つのシーケンスグループとして登録可能となった。これにより、システムセッティングにかかる時間短縮はもちろん、同様の手技における設定の再現性も高めることが可能となった。

 ARTIS icono D-Spinは操作性向上、ワークフローの改善、時間短縮、稼働率向上に大きく貢献する。

CIARTIC Move

 CIARTIC Moveは複数の自動化技術によって、手術の時間短縮、効率化に寄与する外科用モバイルCアーム
である。また、各種センサーやモーターアシスト機能により患者、スタッフ双方の身体的負荷を軽減し安全性
も確保する。


 装置の移動とCアームの位置調整が電動制御されており、術中の撮影に関するワークフローを自動化する
ため、Cアーム操作の時間を大幅に短縮可能(約50%短縮)となった。また、ワイヤレスのリモートコントロー
ル端末を使用して、外科医自らが装置の移動、Cアーム位置の操作、X線照射、装置の非常停止などの操作が
可能となり、術中のCアーム操作に要するスタッフ数を削減できる。加えて、モーターアシスト機能および装
置に搭載されたセンサーが障害物を検出し、緊急ブレーキを作動させて衝突を回避するため、少ない人数で
の操作でも安全に使用することができる。このようにCIARTIC Moveは、手術時間の短縮と効率化、医療従事
者の負荷軽減を可能とするシステムである。

Deep Resolve

 シーメンスのInstalled base装置も含めて提供されているAIを用いた画像先構成技術。Deep Resolveは、画像再構成プロセスにDeepLearning Reconstructionを用いた先進的なMR画像再構成技術である。


 Deep Resolveは高速化とノイズ除去を実現するDeep Resolve Boostと、空間分解能を向上させるSuper Resolution技術を取り入れたDeep Resolve Sharpの機能があり、これらを組み合わせて使用することで、SNRを向上しつつ空間分解能の高い画像を短時間で取得可能となる。


 今回新たに、これらDeep Resolveが3Dに対しても対応可能となった。3DにおけるパラレルイメージングにCAIPIRINHAがあるが、Deep Resolveは新たにCAIPIRINHAの高速化技術を学習し、3D撮像のさらなる高速化が可能となる。さらに超解像技術であるDeep Resolve Sharpは3D撮像においては面内の超解像効果だけではなく、スライス方向の超解像機能も有している。


 Deep ResolveはMRI検査において画質向上と撮像時間短縮を実現させ、患者に利益向上と負担軽減をもたらすと同時に、ユーザーワークフロー効率化にも大きく貢献する