-心臓MRI検査における術者、患者の負担を軽減-
同機能は国際医療機器展示会(ITEM2012)において、新ソフトウェア M-Power V2(エムパワー バージョン2)搭載1.5テスラ MRI装置Vantage TitanTMとともに展示された。
●開発の背景
心筋遅延造影MRIなど撮像技術の進歩に伴い、循環器診断における心臓MRI検査の果たす役割は大きくなり、また平成20年(2008年)診療報酬改定において心臓のMRI撮影が加算の対象となったことから、心臓MRI検査に対する需要は増加している。2010年循環器疾患診療実態調査結果(JCRACセンター、2012)によると心臓MRI検査数が対前年度比で約20%増加する結果となった。
心臓MRI検査は、まず基準的な断面の位置を設定し、その上で、診断画像の撮影をするという2ステップで行われる。従来この位置決め作業のために手動にて撮影を繰り返す方法が行われており、検査時間が長い、撮像操作が複雑、術者の習熟度に依存するなど課題があった。
●新機能の特長
CardioLineは、心臓の複数の特徴部位の統計的なパターンを認識する事例ベースの部位推定技術により、体格差や性別、多種多様な症例の影響を受けることなく自動的に心臓の位置や向きを調べて、心臓MRI検査の基準的な6断面の位置決めを精度よく行う。
これにより検査時間を従来約50分から約40分へと短縮できる。加えて、画像取得の際の折り返しアーチファクト回避機能によりスキャンミスを軽減できるため、患者の息止め回数が減り検査における負荷が軽減される。
同機能は、同社と(株)東芝 研究開発センター マルチメディアラボラトリーならびに杏林大学付属病院 放射線医学教室 似鳥俊明氏らとの産学共同研究により開発、商品化された。すでに臨床例における正確度の研究を終えており、対象とした心臓MRI検査の40症例すべてにおいて断面設定のアシストが可能で、放射線診断医2名の視覚的評価では高いスコアで目的断面の設定が行えた。
●お問い合わせ
東芝メディカルシステムズ(株)
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