ギブン・イメージング社、クローン病の検出とモニタリングにおけるカプセル内視鏡検査の重要な役割を示すデータが報告されたと発表

2012.10.31

 ギブン・イメージング(株)(所在:イスラエル、社長兼最高経営責任者:ホミ・シャミール)は10月24日、小腸クローン病の病変検出においてカプセル内視鏡検査の役割が高まっていることを示す2件の研究結果が報告されたことを発表した。これらの研究結果は、10月20~24日にオランダ・アムステルダムで開催された欧州最大の消化器病会議、欧州消化器病週間(UEGW)で発表された。ギブン・イメージングは10月22~24日の期間中、ブース番号56で機器展示が行われた。
 ローマ大学サピエンツァ校消化器病学臨床科学科のRoberta Pica M.Dは次のように述べた。「小腸クローン病の検出におけるカプセル内視鏡検査の臨床価値はますます多くのピアレビュー論文によって実証されている。医師にとって、患者の小腸と大腸の内膜の構造的変化に関してできるだけ多くの情報を集めることは、正確な診断と適切な治療過程を決定する上で非常に重要だ。今回の新しい研究では、小腸可視化のゴールドスタンダードとして広く認められているカプセル内視鏡検査は、小腸クローン病に伴う粘膜病変の種類と範囲を評価できる信頼性の高いツールとして、MRエンテログラフィー(MRE)よりも優れているという初期エビデンスが得られた。カプセル内視鏡検査で得られる情報によって、患者の転帰の改善を目標とした治療過程をより正確に計画できるようになる」。
 Roberta Pica M.Dらは、クローン病であることが確認または疑われる16例の治療を継続している患者を対象にカプセル内視鏡検査(WCE)とMRエンテログラフィー(MRE)を比較したプロスペクティブ研究の結果を発表した(P1414)。WCEは10例中9例(90%)において紅斑、アフタ、潰瘍、亀裂、または粘膜出血の存在を示す明らかな病変を検出し、4例において空腸、回腸の両方に病変を認め、5例で回腸終末部のみの病変を検出した。一方、MREはWCEより精度が低く、15例中11例(73%)において炎症性病変を検出し、2例において空腸、回腸の両方に病変を認め、9例で回腸終末部のみの病変を検出した。両検査手技で評価した9例では、WCEで8例(90%)、MREで6例(67%)に病変が検出された。さらに2例については、MREで偽陰性であった症例に対してWCEでは回腸終末部に明らかな病変が認められ、また、MREでリンパ腫が示唆された偽陽性はWCEで排除することができた。報告者らは、いずれの検査手技も小腸クローン病の診断を相互に補完するものであるが、WCEは粘膜表面の直接観察が可能であるため粘膜病変を評価できる信頼性の高いツールである一方、MREは腸壁の特異的変化の診断を可能にするものであると結論。
 もう1件の研究は、ギリシャ・アテネのエヴァンゲリスモス病院第二消化器科のEfstathios Saprikis らによるポスター発表(P0203)で、確定診断済みクローン病患者に対する小腸用カプセル内視鏡検査も安全であることを示した。
 カプセルの滞留が起こった場合には、大半の症例が保存療法で十分管理することができた。Efstathios Saprikis らは、カプセル内視鏡検査の前に大腸内視鏡検査を施行した301例を特定した。クローン病と確定診断されたこの対象患者301例のうち196例(65.1%)がカプセル内視鏡検査によって小腸にクローン病の徴候が確認された。
 カプセルの滞留は5例(1.66%)にしか認められなかった。この滞留率はこれまでに報告されているデータ、ならびにクローン病であることが確認または疑われる患者に対するカプセル内視鏡の適用に関する学会ガイドラインとも一致するものだった。
 
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