新造影剤は、アルツハイマー病評価の一助となる可能性
脳内におけるsアミロイドの蓄積は、ADの重要な病理学的特徴である。ADは現在、病歴、理学的・神経学的・精神医学的・神経心理学的検査、体組織検査、ならびに磁気共鳴断層撮影装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)など、多角的な臨床検査をもとに診断されている。また18F-Flutemetamolについては現在、生体におけるsアミロイド沈着を検出する潜在能力を検証するための研究がなされている。
NDAおよびMAAの提出書類は、第III相の脳剖検・生検を含めた一連の臨床試験データに基づくもので、これらの研究では、視覚的読影の感度および特異性の高さだけでなく、18F-Flutemetamol PET画像とsアミロイド脳病理との高い一致度も示された。これらの研究結果は、バンクーバーで開催された2012年国際アルツハイマー病学会(AAIC2012)、ならびにニューオーリンズで催された第64回米国神経学会(AAN)年次総会において発表された(*1、2)。また提出書類には、先ごろ完了した18F-Flutemetamol PET読影者トレーニング妥当性研究のデータも含まれており、この結果は今後数カ月のうちに学術フォーラムにて発表される予定である。
同社のメディカル・ダイアグノスティクス事業部門PET担当ゼネラル・マネージャーのJonathan Allis博士は、「これらの申請が受理されたことによって、アルツハイマー病の早期かつ正確な検出、ならびに患者さんおよびその介護者の方々が送る生活の質の改善に向けた、私たちGEヘルスケアのコミットメントがさらに強まります。18F-Flutemetamolを用いたPET検査には、より広範で正確な診断の一部となり得る潜在能力があり、原因が確認できない認知機能喪失が見られる患者にsアミロイド沈着が存在しないことを確実に示すことによって、医師はアルツハイマー病の可能性を除外できるようになります」と語った。
●画像研究に対するGEの取り組み
18F-Flutemetamolは、GEヘルスケアがアルツハイマー病の分野で目下開発を進めている広範な診断ソリューションの一構成要素である。同社は、ADの原因、リスクおよび身体的影響の解明に向けた研究を進めるなど、同疾病の理解に多角的なアプローチを講じている。また同社は放射性同位元素を容易に製造するサイクロトロン(加速器)、この放射性同位元素を人体に投与可能な薬剤に合成する放射性医薬品合成設備、ならびにPETやMRIなどの画像診断装置といった広範な製品群を提供しているほか、医師の画像解析を支援するソフトウェアも開発している。
さらに、製薬業界と協力して、次世代の治療薬開発を支援している。パートナー候補と協働して、各社の戦略的なニーズの理解に努めているほか、治療薬の臨床試験において画像分野の支援を提供している。
*1 Ikonomovic M、Buckley C、Smith Aら:18F-Flutemetamol投与によるPET画像は脳内アミロイド・レベルを反映する。データは、カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーの2012年国際アルツハイマー病学会(AAIC2012)において発表された。
*2 Wolk D、Gamez J、Sadowsky Cら:脳剖検および生体内脳皮質生検の試験は、18F-Flutemetamol PETとsアミロイド病理との高い一致度を示す。ポスターは2012年4月21~28日、米ルイジアナ州ニューオーリンズの第64回米国神経学会年次総会において発表された。
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