ギブン・イメージング社、内視鏡 PillCam COLONとCTコロノグラフィとを比較検討したヨーロッパの新しい試験結果を発表

2013.05.27

 ギブン・イメージング社(NASDAQ: GIVN、イスラエル・ヨクネアム)は、5月20日、大腸内視鏡検査が不完全であった患者さんの大腸病変の検出、ならびに成人・小児のさまざまな消化管疾患のモニタリングにおけるPillCam COLON(大腸用カプセル内視鏡)の有用性を確認したヨーロッパにおける複数の試験結果のデータを発表した。これらの試験結果は、フロリダ州オーランドのオレンジカウンティコンベンションセンターで年5月18日から21日の期間に開催されている米国消化器病週間(DDW)で発表された。

 イタリア・ローマのカトリック大学Cristiano Spada, M.D.は次のように述べている。「大腸を直接観察できるPillCam COLONの精度を裏付ける臨床エビデンスが次々と確認されています。われわれが実施した前向き試験の解析データからも、PillCam COLONは従来の大腸内視鏡検査が不完全であった患者に対して有益かつ有効であることが示されています。こうした患者集団に向けたソリューションを提供してくれる新しい診断ツールはわれわれにとって歓迎するものです。」
 また、Cristiano Spada, M.D.は、「従来の大腸内視鏡(CC)が不完全であった患者評価におけるPillCam COLONカプセルとCTコロノグラフィ(CTC)の前向き試験」(口頭発表703)と題した試験の解析結果を発表した。さまざまな理由で従来の大腸内視鏡検査を完了できなかった患者さん100例にPillCam COLONとCTCを実施して、従来の大腸内視鏡検査では観察できなかった大腸部位に対して、どちらの検査がより良好に可視化できたかを検討した。PillCam COLONもCTCも患者さんの98%、大腸内視鏡では検査できなかった部位を可視化することができた。この試験の結果は、PillCam COLONもCTCも大腸内視鏡が不完全であった患者さんに対して有効であったが、大腸内視鏡で可視化できなかった大腸部位におけるポリープについてはPillCam COLONの方が高い検出能を示めしている。
 さらに、Cristiano Spada, M.D.は「PillCam COLONカプセル内視鏡(CCE)による大腸平坦病変の検出」(口頭発表857)と題する別の後ろ向き試験の結果も発表した。この試験では、がんの高リスク要因となることが示されている平坦病変に対するPillCam COLONの検出精度の高さが示された。この後ろ向き試験では、大腸がん検査のゴールドスタンダードとされている大腸内視鏡検査を行った後にPillCam COLONカプセル内視鏡検査を行った患者さんからデータを収集した。その結果、通常ポリープの検出数は大腸内視鏡で27 個、PillCam COLONで25個だったが、1例において、大腸内視鏡では確認できなかった11mmの平坦ポリープがPillCam COLONによって可視化された。個々の病変に基づくPillCam COLONの感度は90%、特異度は96%だった。

 PillCam COLONの臨床価値は、「小児潰瘍性大腸炎(UC)に対する第2世代大腸カプセル内視鏡(CCE-2)の評価」(口頭発表689)と題した試験においても確認されている。既知の潰瘍性大腸炎小児患者さん30例にPillCam COLON検査と大腸内視鏡検査を実施し、いずれの検査が大腸の炎症をより良好に検出するかを検討した。盲検下で検討した結果、PillCam COLONの大腸炎症検出感度は95%、大腸炎症の可能性を正確に除外する特異度は100%であった。PillCam COLONと標準の大腸内視鏡との比較検討の結果、PillCam COLONは小児疾患の活動性と進行のモニタリングにおいて非常に有用かつ安全であり、患者様が痛みを感じない検査手技であると、Salvatore Oliva,M.D.(ローマ大学サピエンツァ校小児消化器病・肝臓内科)を筆頭とする試験担当医らは結論づけている。さらにSalvatore Oliva, M.D.らは、PillCam COLONは非侵襲性で患者様に優しいという特徴を有するため、潰瘍性大腸炎の小児の精密検査の在り方に影響を与える可能性を示唆している。
 

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