シーメンス・ジャパン、新型PET・CTシステム「Biograph mCT Flow」を販売開始

2013.08.28

新技術搭載で、被検者一人ひとりの撮像条件・範囲に合わせた検査を実現

シーメンス・ジャパン(株)は、現行のステップ&シュート方式に加え、速度可変型連続移動スキャン機能「FlowMotion」を搭載した新型PET・CTシステム「Biograph mCT Flow(バイオグラフ エムシーティー フロー)」の販売を開始した。
新たなスキャン技術の搭載により、PET・CT検査の撮像方法、データ収集および画像再構成のプロセスを一新し、被検者一人ひとりに最適な検査を実現することが可能となった。
FlowMotionは、被検者ごとに異なる臓器の大きさや条件を考慮し、高分解能撮像や呼吸同期設定、高速スキャンなどのさまざまな撮像条件を、被検者一人ひとりに合わせて設定をすることができる。また、リニアモータ駆動式寝台を採用しているため、撮像範囲をミリ単位でコントロールすることにより、精密なデータを収集しながら極めて自由度の高い検査可能となっている。
これまでのPET検出器のサイズに応じてスキャン範囲が固定された撮像では、必要以上に撮像範囲が大きくなるケースがあった。FlowMotionでは必要な範囲のみに合わせて撮像できるため、不要なCTデータの収集がなく、被ばく低減が期待される。

また、FlowMotionによるPET検出器のサイズに制限されない撮像法は、全身領域の信号ノイズ比の一定化に向けた技術であり、撮像範囲全体において優れた定量性を発揮し、治療後のモニタリングなど長期間にわたり高い定量性・再現性を実現する。

さらに、大口径78cm、ショートボアコンセプトのBiograph mCT Flowは、被検者の負担を大きく低減すると共に、例えば腕を上げて検査をするなど、放射線治療中の体位を考慮して行われる治療計画応用としてのPET・CT検査にも適している。

PET・CT装置は販売開始から約10年が経過し、機能画像と形態画像を密接に関連付けられることから、がん診断には欠かせないモダリティとなっている。今後はさらに、病期あるいは転移診断に加え、治療効果の確認や治療方針の決定に必要な、より確かな情報を提供することが求められている。Bigoraph mCT FlowはPET・CT検査にさらなる自由度をもたらすことができるため、高い定量性を有し、より精度の高い診断や効果的な治療が可能である。

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