みずほ情報総研(株)は、診断・治療・確認をリアルタイムで行う未来型のがん治療実現に貢献する技術の創出を目指し、GPUを用いたPET画像再構成手法の開発に着手すべく、2013年9月12日より、独立行政法人放射線医学総合研究所と共同研究を開始したことを発表した。
X線CT装置やPET装置のような人体を取り囲む形で配置した放射線検出器により計測したデータから体内の密度分布などを画像化するには、画像再構成と呼ばれる計算処理が必要となる。放射線診断・治療において、画像再構成に必要な計算量は、画像の高精細化などの流れに伴い膨大になりつつあり、計算時間の短縮に対するニーズがますます高まる傾向にある。特に、現在、放射線医学総合研究所が開発を進めている診断と治療が同時に可能な世界初の開放型PET装置(OpenPET®)による画像誘導型放射線治療*4を実現するためには、画像再構成の計算時間を極限にまで短縮化したリアルタイムイメージングシステムの構築が不可欠である。
こうした背景を受け同社は、将来の画像誘導型放射線治療の実現に向け、GPUを用いたPET画像再構成手法の開発を放射線医学総合研究所と共同研究を行っていく。画像処理・高速化分野で豊富な開発実績を持つ同社が、生体内で起こるさまざまな生命現象を外部から分子レベルで捉えて画像化する研究を推進している放射線医学総合研究所と連携することによって、診断・治療・確認をリアルタイムで行う未来型のがん治療の実現に貢献する技術の創出を目指すとしている。
同社は、この共同研究の成果となる画像再構成およびその高速化に関わる知識、知見、ノウハウを、今後のOpenPET®の実用化に役立てていくとともに、放射線診断・治療をはじめとした生物・医療分野における研究開発、事業化の推進などに貢献すべく幅広く応用を検討していく予定だ。
OpenPET®のイメージ図
資料提供:放射線医学総合研究所
*OpenPET®は、独立行政法人放射線医学総合研究所の登録商標。
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