高精細CT 画像を利用した新たな画像再構成技術「xSPECT」を搭載し、SPECT画像の高画質化を実現
シーメンス・ジャパン(株)は、SPECT とCT の画像情報を高精度に融合する新たなイメージアライメントを可能にする、新機能搭載SPECT・CTシステム「Symbia Intevo」の販売を11月8日より開始した。新たに搭載した同社の画像再構成技術「xSPECT」により、SPECT 画像の品質が大幅に向上し、核医学画像診断の精度を高める。さらにSPECT・CT としては、世界で初めてルーチン検査におけるアイソトープの定量計測を実現し、治療効果などを判断するためのより確かな情報提供を可能にした。年間販売台数は20台程度を予定している。
画像再構成技術「xSPECT」の概要
これまでCT画像は、SPECT画像再構成のプロセスの中で体内組織におけるアイソトープの減弱の影響を補正する手法として用途が限定されており、そこで得られたSPECT画像と重ね合わせることでSPECT・CT画像が作成されていた。
「xSPECT」では、CT画像の高い解像力を限定することなく活用するため、得られたSPECTデータをCTのイメージ空間に、同じボクセル単位で合わせこみ、SPECTの画像再構成を行う。このことによって、高精細なCTデータと同じボクセルサイズで構成されたSPECT画像を得ることができ、解像度の高いSPECT画像の描出が可能となる。
また、「xSPECT」によって得られる高分解能画像は、アイソトープの定量計測を実現する。この実現には、校正用線源を用いたクロスキャリブレーション(相互検定)が実施されており、低エネルギー高分解能コリメータと99mTc(テクネシウム)を用いた定量計測を可能とした。99mTc検査の一例として、現在死因の原因として増えている乳がんや前立腺がんの骨転移評価をする骨シンチグラフィがある。「xSPECT」を用いた定量計測は、PET・CTシステムと同様に、治療効果の早期判定や、それに伴う治療の適合可否を決める支援情報として期待されている。
SPECT・CTシステムは機能画像と形態画像を密接に関連付けられることから、他のモダリティでは難しい各種疾患の診断に欠かせないモダリティと位置づけられている。今後、QOLを向上させるために、病期あるいは転移診断に加え、治療効果の確認や治療方針の決定に必要となる、より確かな情報を提供することが求められている。Symbia IntevoはSPECT・CT検査において、高解像度画像の描出、定量計測を可能とし、より精度の高い核医学画像診断や治療効果判定などに貢献する。
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