ボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)は、欧州心臓病学会・欧州心臓律動学会(European Society of Cardiology European Heart Rhythm Association)の公式雑誌であるEP EuroPace誌オンライン版において、ピッツバーグ大学医療センター(Universityof Pittsburgh Medical Center)が実施した、この分野における初めての独自試験で、複数メーカーの現行の除細動機能付植込み型両心室ペーシングパルスジェネレータ(CRT-D)のバッテリー寿命に有意な差が認められ、ボストン・サイエンティフィックのデバイスのバッテリー寿命が競合ブランドと比較して最も長いことが示されたと発表した。
この試験では、バッテリー寿命が患者の転帰(病気が進行して行きついた結果)に直接影響を及ぼし、CRT-D療法における臨床診療にも影響を及ぼす場合があることが指摘された。
このレトロスペクティブ観察試験では、2008年1月1日から2010年12月31日の間に現行モデルのCRT-Dを植込んだ646名の患者集団を対象とした。主要エンドポイントは、バッテリーの消耗率(選択的交換指標(ERI)到達率)およびデバイスメーカが設定したデバイスの植込みからバッテリー消耗までの時間である。全体的には、試験データにより、実際の臨床現場におけるバッテリー寿命について、ボストン・サイエンティフィックのデバイスが他メーカ製の類似デバイスと比較して最も長寿命であることが実証された。
2.7±1.5年間のフォローアップ中に消耗したデバイスのバッテリーはセントジュード社製が7%、メドトロニック社製が25%であるのに対し、ボストン・サイエンティフィック社製は4%のみであった。さらに、4年間のデバイスのバッテリー残存率は、セントジュード社製が92%、メドトロニック社製が67%であるのに対し、ボストン・サイエンティフィック社製では94%となった。
「CRTの植込みは技術の進歩により、以前より簡便に手術を行えるようになりました。一方で、植込み型デバイスの交換手術では、出血、感染、植込まれたリードの損傷などのリスクを回避するため、様々な配慮をして処置を行います。デバイスの長寿命化は交換手術を減らすだけでなく、そのようなリスクを低減させ、入院期間を軽減させます。患者さんのみならず、医療従事者にとっても恩恵を得ると考えます」と板橋中央総合病院循環器科不整脈・心不全診療部長 中島 博医師は述べている。
両室ペーシング機能付植込み型除細動器(CRT-D)は重度の左心室(LV)収縮不全および幅広QRS群を抱える心不全患者の治療に適応されている。CRT-Dのベネフィットは、右心室および左心室の両方における心室ペーシングの重い負担を担うことにあり、100%またはそれに近い両室ペーシングを実現するという優れたベネフィットが得られる。約100%の両室ペーシングの必要性はバッテリーの著しい消耗を引き起こす可能性があり、通常、バッテリー寿命の重要な決定要因となっている。
この試験「両室ペーシング機能付植込み型除細動器のバッテリー寿命 (Battery Longevity in Cardiac Resynchronization Therapy Implantable Cardioverter Defibrillators)」はピッツバーグ大学医療センターが単独で主催し、治験責任医師を務めた、ピッツバーグ大学医療センターの心臓電気生理学科主任のサミール・サバ(SamirSaba)医学博士の指揮の下、実施された。
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