同社の電子カルテシステムは、電子カルテ・レセプト(診療報酬明細書)・画像ファイリングの各機能を統合した一体型システムであり、受付から会計、保険請求まで診療所の業務をフルサポートする。画像診断機器メーカとしての長年の経験と実績を活かして多様な検査機器との連携を実現しており、X線・内視鏡・超音波などの画像データの一元管理と画像・患者情報の容易な表示が可能で、確実でスムーズな診療を支援する。
診療所における電子カルテの普及率は約24%(2012年)*1にとどまっているが、新規開業時の導入率は7~8割と非常に高く、また更新需要も期待できるため、マーケットは今後拡大すると見込まれている。
そこで同社は、見やすい画面とわかりやすい操作に定評がある「SimCLINIC T3」に、使いやすさを高める機能や今後需要が見込める在宅診療を支援する機能をプラスアルファした同システムを開発した。
具体的には、医療事務支援のために、オンライン請求に使用するレセプト電算ファイルを点検し病名漏れ等をチェックするレセプトチェック機能や、期間指定適応症チェック機能を新たに標準で追加した。
また高齢化社会を迎え、QOL(生活の質)向上の観点から在宅療養が国の医療政策として推進されており、診療所にはかかりつけ医として在宅療養を支援する地域の医療サービス体制の中核を担うことが期待されている。そこで、訪問先からiPad*2 を利用してカルテ情報を簡単に参照、入力することを可能にする在宅診療支援機能を追加した。(オプション)
同社は、X線機器メーカである強みを活かし、診療所のIT化をトータルソリューションで提案することにより、販売・サービスを行う島津メディカルシステムズ(株)と共に拡販を図っていく。
*1 シード・プランニング社調べ
*2 iPad は、Apple Inc.の商標
<新製品の特長>
1.医療事務の効率化に役立つ機能の充実
レセプトのオンライン請求に使用するレセプト電算ファイルを、最長12か月までの縦覧点検を行うことができるので、レセプト精度が向上し、より診療経営の安定化に資することができる。また、期間を指定して症例と処方の整合性を確認する適応症チェック機能により、診療所スタッフの負担を軽減する。
2.在宅診療を強力サポート
新たに電子カルテ連携サーバを開発し(オプション)、Apple社製のタブレット端末iPad用アプリケーションSimCLINIC Mobile(無料)にてカルテの閲覧・記入が可能になった。電子カルテ内の患者情報(氏名、住所、連絡先、保険、背景)、過去カルテ情報(所見、処方、病名、シェーマ)、メモ情報(テキスト、写真)をiPad にダウンロードし、訪問先にて簡単に参照することができる。また訪問先でも所見や処方、簡単なテキストメモや写真を入力でき、入力した情報は診療所の電子カルテに保存される。
業界唯一のオンライン・オフライン両方に対応したアプリであり、移動中など通信環境がよくない時にはあらかじめダウンロードしておいたカルテ情報をオフラインで参照することができ、緊急時などにはその場でダウンロードして参照することも可能。
なお、オンライン時の回線はリモートメンテナンスで利用しているセキュアネットワークサービスを用いて、安全性を確保している。
名称:無床診療所向け統合型電子カルテシステム「SimCLINIC T3α」
価格:550万円から(税別、システム構成により異なる)
販売計画:200台(発売から1年間。国内のみ)
●お問い合わせ
(株)島津製作所
医用機器事業部 グローバルマーケティング部 販売促進グループ
TEL:075-823-1271
URL: http://www.shimadzu.co.jp/