日立製作所Hitachi Europe Ltd.、日立ヨーロッパ社とオーストリアのMIG社がWi-Fi機能を搭載したモバイル型生体認証装置をトルコの病院に提供 ~Wi-Fi機能付モバイル型指静脈認証装置を活用し、診療時の個人認証を強化~
株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)の欧州における現地法人であるHitachi Europe Ltd.(社長:山本 潔/以下、日立ヨーロッパ社)と、オーストリア共和国(以下、オーストリア)のセキュリティソリューション企業であるMIG Int.(CEO:Michael Gorgi(マイケル・ゴーギ)/以下、MIG社)は、このたび、トルコ共和国(以下、トルコ)の医療機関向けに、Wi-Fi機能を搭載したモバイル型生体認証装置「BIOMIG」の提供を開始した。本装置は、日立が開発した指静脈認証技術をもとにMIG社が製品化したもので、患者の個人認証を容易に行うことができ、既にトルコのMemorial Healthcare Group(メモリアルヘルスケアグループ)をはじめとする複数の病院や人工透析センターに導入され、稼働を開始している。
トルコでは、政府の医療ファンドへの定期的な積み立てを労働者に義務付ける、UHI(Universal Health Insurance)と呼ばれる国民皆保険制度があり、収入が法定基準を下回る労働者は無料で医療サービスを受けることができる医療給付システムが整備されている。従来は、無料で医療サービスを受けるために、Social Security Institution(労働社会保険省)が発行する専用カード「グリーンカード」が用いられており、これまでに1,000万枚以上発行されている。しかし、医療給付システムにおける不正利用や非効率性により、医療コストが予算を大きく超過する状況となっていたため、2012年以降、生体認証による患者の個人認証システムを導入するなど、生体認証技術の採用が大きく拡大している。
「BIOMIG」は、患者が医療サービスを受ける際に個人認証のために利用される最先端のソリューション製品で、政府による病院などへの支払いを、従来よりも大幅に効率的に管理することを可能にする。
指静脈認証技術は、カードやパスワードを利用した従来型の認証方法と比べて非常に高い安全性を実現するだけでなく、指紋、顔、声紋などの認証方法と比べても、複製が難しい指内部の静脈のパターンを読み取るため、複製されるリスクを大きく低減することが可能である。このため、指静脈認証技術は、病院以外の医療関連機関や公共機関においても、システムの運用改善や、コスト削減、不正行為の防止などを実現することが可能である。
日立とMIG社は、高い安全性と信頼性を有するソリューションを提供し、トルコにおけるQoL(Quality of Life)の向上に貢献するべく、取り組んでいく。また、日立は、トルコだけではなく、そのほかの国や地域に向けても、社会的な課題の解決を支援する優れたソリューションを提供していく。
[本発表に際しての各社のコメント]
1. 日立ヨーロッパ社 情報システムグループ トルコ地域ディレクター Erman Akgün(エルマン・アクグン)
MIG社は、トルコおよび欧州において、最大級の生体認証プロジェクトの一つを実施しており、培った信頼性や人間工学の経験、知識を、「BIOMIG」を通じて医療業界へ提供していく。
2. MIG社 ヘルスケア事業 営業統括部長 Yener Güçkıran(イエナ・グチキラン)
生体認証の市場は、大学病院の生体認証システムを含め、100万トルコリラの規模まで拡大しています。われわれの目標は、その市場の75%を獲得することである。力強く、有望で、急速に成長している市場において、「BIOMIG」は、技術や迅速性、信頼性、利便性の高さによって、リーディングポジションを獲得していく。
[MIG社について]
MIG社は、オーストリアのウィーンに本社を置き、EMEA(Europe, the Middle East and Africa)地域に複数の拠点を有するテクノロジー企業グループである。MIG社は、お客様への独自かつ革新的な提案を実現する、RFIDや生体認証、各種セキュリティソリューションを含む、幅広い技術を開発し、市場に提供している。また、地中海地域において、再生可能かつ持続可能なエネルギー(風力および太陽光)の利用を促進する革新的技術への投資を行うなど、環境保護に高い関心をもっている。詳細については、こちらのWebサイトを参照。http://www.mig-int.eu./
●お問い合わせ先
株式会社日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2014/07/0709a.html