東芝メディカルシステムズ、1.5テスラMRIシステム Vantage Titan最新バージョン M-Power V3.1販売開始

2015.03.04

東芝メディカルシステムズ(株)は、東芝MRIのプラットフォームである「M-Power™」の最新バージョン、V3.1を搭載した東芝1.5テスラMRIシステム Vantage Titan™のグローバル販売活動を2015年3月4日より順次開始する。V3.1は、さらなる検査効率とフレキシビリティの向上により快適な検査環境を実現するだけでなく、近年関心が高まるサイバーセキュリティ対策やアラート機能も強化し、安心で確実な検査を実現する。Vantage Titanは、すべての人にやさしいMRI検査を提供するという。

開発の背景
Vantage Titanは、MRI装置の問題である狭い検査空間と大きな騒音を克服した装置である。画質に影響を与えることなく大口径化と静音化を実現し、患者さんにやさしい検査環境を提供する。おかげさまで国内の1.5テスラ大口径MRI市場でトップシェアを達成している(注1)。
今回V3.1では、3テスラシステムに搭載されている最新アプリケーションにも対応し、快適なワークフローとセキュリティの充実化によって、より一層やさしいMRIを実現した。

主な特徴
1. 短時間で確実な検査の提供 M-Power V3.1では、頭部や心臓の形状を解析し、各断面の位置決め設定をアシストするEasyTechのラインナップに、脊椎検査用のSpineLineを搭載した。脊椎検査に必要な位置決め設定時間の短縮化を行い、快適なワークフローを実現する。
2. フレキシビリティ向上による快適な検査環境の実現 V3.1では装置性能を最大限に発揮させるべく、シーケンス条件編集の自由度を向上、フレキシブルなパラメータ設定により、快適な環境と高画質を実現する。また新たに搭載されたアプリケーションである、拡散強調画像Computed DWI(cDWI)は、得られた画像からhigh b画像を演算処理することで、撮像時間を延長することなく診断能を向上することが可能である。(図1) そのほか一回の撮像で水画像、脂肪画像、In phase画像、Out of phase画像の4 種類の画像を得るWater Fat Separation(WFS)や、2 種類のTI を入力することで白質と灰白質のコントラストを向上するDouble Inversion Recovery(DIR)など検査効率だけでなく診断能を高める。 さらに、新しいAtlas SPEEDER™ ヘッド/ネックではチルト機構を搭載した。従来検査の難しかった背中の曲がった高齢者の検査に対して短時間にセッティングでき、より楽な姿勢で検査を受けていただくことが可能になった。(図1)

(図1)

3. セキュリティの強化による安心で確実な検査の提供 昨今、医療機器に対するセキュリティ対策が重要視されるなか、従来のセキュリティソフトでは、新しいウイルスが発生するたび対応が必要とされている。V3.1では、Windows® 7とホワイトリスト方式のセキュリティソフトウエアを搭載した。ホワイトリストに登録されているソフト以外は動かないという仕組みにより、悪意のあるソフトウェアなどによる攻撃からシステムを守り、システムダウンや、ネットワークを介した感染拡大、大切な患者情報の流出を防ぐ(注2)。 本装置は、米国国防総省のネットワークセキュリティガイドラインに適合した世界初のMRIシステムとして、米国空軍よりApproval To Operate (ATO)を受けています(注3)。また、万が一のシステムトラブルに対するアラート機能の強化や、ハードウェアを迅速にリセットする機能等を新たに追加することで、従来からのリモートメンテナンス機能とあわせ、ダウンタイムを最小化している。

注1:2013年度 同社調べ
注2:一般家庭やオフィスで主に用いられているブラックリスト方式は、ウイルスの検出と駆除のためのデータが必要で、このデータ更新とスキャン作業が要求される。これらの作業時に負荷が発生しシステム動作性能への影響が懸念される。また、データ更新を怠ると、最新の脆弱性問題に対応することができない。一方で当社が採用したホワイトリスト方式は、「MRIの動作に必要なプログラムのみを動作させる」よう制御されている。従って、前述のウイルスデータ更新は不要で、常に安定したMRIシステムの動作が可能。
注3:「高度セキュリティ設定」をONにする必要がある 。

●問い合わせ
東芝メディカルシステムズ(株)
広報室
TEL:0287-26-5100
URL:http://www.toshiba-medical.co.jp/tmd/