富士フイルム、FPDとX線撮影装置を組み合わせた「BENEO」シリーズ最新機種 「FUJIFILM DR BENEO-Fx」新発売

2015.04.08

富士フイルム(株)は、FPD(フラットパネルディテクター)(*1)とX線撮影装置を組み合わせた、同社のデジタルX線画像診断システム「BENEO」シリーズの最新機種として、1回の撮影で複数の断層画像を得ることができるトモシンセシス機能を新たに搭載した「FUJIFILM DR BENEO-Fx(ベネオ エフエックス)」(以下、BENEO-Fx)を、平成27年4月15日より富士フイルムメディカル(株)を通じて発売する。なお、同製品は、4月17日から19日までパシフィコ横浜で開催される「2015 国際医用画像総合展(ITEM2015)」に出展される。
 
今回発売する「BENEO-Fx」は、FPDとして、当社独自の画像読取方式「ISS方式」(*2)によって少ないX線量でも高画質な診断画像が得られるデジタルX線画像診断装置「FUJIFILM DR CALNEO HC SQ」を搭載している。画像診断をサポートする新機能として、1回の撮影で角度を変えながらX線を連続照射し、得られた複数の画像から断層画像を生成できるトモシンセシス機能を搭載した。トモシンセシス機能による撮影では、複数の断層画像によって奥行き方向の情報が得られるため、微細骨折などが観察しやすくなる。このほかにも、骨折や膝関節の磨耗に対する手術で、チタンなどの金属を含む人工骨を埋め込んだ患部を撮影する際に、CT(コンピューテッドトモグラフィ)装置による撮影では、人工骨に付属する金属によってアーチファクト(*3)が発生して患部を観察しにくいことがあったが、「BENEO-Fx」のトモシンセシス機能では、当社独自の「金属アーチファクト抑制処理」によって、金属影を極力抑えて、より診断しやすい断層画像が得られる。さらに、胸部撮影で骨成分のみを除去した画像などを生成・描出できるエネルギーサブトラクション撮影機能も搭載した。
 
「BENEO-Fx」は、X線の撮影操作、撮影画像の確認やトモシンセシスなどの処理を、1台のコンソールでオペレーション可能である。また、ボタン1つで撮影部位・目的に合わせて、自動でFPDとX線管の位置合わせができるオートポジショニング機能も搭載しており、短時間でポジショニングの調整ができる。近年ニーズが高まっている全脊椎や全下肢などの広範囲を撮影する長尺撮影にも対応し、効率の良いワークフローを提供する。
 
1. 販売名
診断用X線装置 FUJIFILM DR BENEO-Fx(認証番号:第226ABBZX00145000号)
 
2. 発売日
平成27年4月15日
 
3. 標準ユーザー渡し価格
123,000,000円(標準構成(*)、税別)
* 長尺撮影機能、オートポジショニングなどの機能が含まれる
 
4. 主な機能・特長
(1)多彩な診断アプリケーションの対応
①トモシンセシス機能
立位または臥位撮影において、トモシンセシス撮影が可能。1検査あたり最大60枚の撮影画像を再構成して、任意の高さの断層画像を生成する。断層画像は、中心の位置、断層の間隔などの生成条件を変更して何度でも作りなおすことができる。
独自の「金属アーチファクト抑制処理」により、金属影によるアーチファクトを極力押さえ、人工骨の経過観察に適した断層画像を生成できる。
一般的に、断層画像を得る手段として利用されるCT撮影と比べて、トモシンセシス撮影では約10分の1のX線量で撮影できるので、患者の被ばく低減が期待できる。
②長尺撮影機能
立位または臥位において、全脊椎や全下肢など広範囲を撮影し、自動合成処理を行う長尺撮影に対応。特に臥位撮影台では最長120cmの撮影領域(*4)を実現し、デジタルX線画像診断装置での立位撮影が難しい全脊椎の側屈の撮影などに効果を発揮する。
③エネルギーサブトラクション撮影機能
立位または臥位撮影において、一度の撮影で透過力が異なる2種類のX線を照射し、その差を利用して画像から骨と肺などの特定構造のみを強調した画像を生成・描出できる「エネルギーサブトラクション撮影」が可能。従来の撮影では、肋骨などの影に隠れて見つけにくかった結節や腫瘤影などが強調して表示されるので、診断の効率化が期待できる。
④オートポジショニング機能
撮影部位・目的に合わせて、ボタン1つでX線撮影のポジショニングができる。
 
(2)豊富なシステムバリエーション
当社のデジタルX線画像診断装置「FUJIFILM DR CALNEO HC SQ」を始め、「CALNEO C」シリーズ(*5)に対応。さらに、立位装置や臥位装置など多彩な構成のシステムが提供できる。
 
(3)医療被ばくの低減
X線変換効率を大幅に向上させ、少ないX線量で鮮明な画像を得ることができる独自画像読取方式のISS方式を採用。さらに、当社独自のノイズ低減回路(*6)を搭載したことにより、透過時にX線が吸収されやすく、撮影画像のコントラストが低下する心臓や縦隔部(*7)、骨盤などの低濃度部領域のノイズを大幅に抑制し、鮮明に描出することができる。
 
*1 Flat Panel Detectorの略。被写体を通過して照射されるX線エネルギーを検出し、電気信号に変換する、X線画像平面検出器のこと。
*2 Irradiation Side Sampling の略。従来型のFPDと反対側のX線照射面側にセンサーを配置し、X線の照射面側よりX線から変換された光信号を読 み取る当社独自方式。
*3 実際の物体ではない、二次的に発生した画像のこと。
*4 平面検出器のシンチレータ面での領域。
*5 トモシンセシス撮影機能、エネルギーサブトラクション撮影機能は、本製品に標準搭載されている「FUJIFILM DR CALNEO HC SQ(DR-ID911SE)」と組み合わせることにより使用可能。
*6 X線情報をセンシングする性能を高め、かつX線を低ノイズで検出することを可能とした電気回路。
*7 左右の肺、胸椎、胸骨に囲まれた部分。

 
 

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