(株)島津製作所は、治療支援アプリケーションを充実させた血管撮影システム「Trinias series MiX package(トリニアス シリーズ エムアイエックス パッケージ)」を2015年4月14日に発売(同8月出荷開始)する。また、同製品は、国際医用画像総合展ITEM2015(4月17日~19日)にて実機展示を行うという。
「Trinias F12 MiX package」
X線透視撮影を行いながら、皮膚にあけた穴から血管へカテーテル(医療用細管)を挿入して行うインターベンション(血管内治療)は、体にメスを入れる外科治療と比べて侵襲性が低く、患者さんに優しい治療法であることから、QOL(Quality of life:生活の質)に対する意識の高まりなどを背景に広く行われている。
血管撮影システムには、術者の手技を支援する高画質や操作性などが求められており、近年は、ステントなどの血管内治療デバイスの進歩や各種インターベンション手技の確立により、患者さんの負担をより一層軽減することが期待されている。
同社は、独自の画像処理技術により高度なインターベンションを創出してきた血管撮影システム「Trinias」を進化させ、多彩なアプリケーションにより低侵襲治療をサポートする「Minimally invasive eXperience (MiX) package」を開発した。新たに開発した術前のCT画像と術中の血管撮影システムとの連動が可能な3Dアプリケーションや血管壁輪郭のみを自動抽出するトレースマッピング機能、ならびに、ステントをリアルタイムで固定表示可能なPCI(心血管のステント留置治療)支援アプリケーションの機能強化により治療時間の短縮と造影剤の軽減を、また、従来の半分のX線量での運用を可能にした画像処理エンジン「SCORE PRO Advance」(2014年6月発売)の搭載により低被ばくを実現しており、患者さんに負担の少ない、優しい治療を支援するという。
<新製品の特長>
治療支援アプリケーションの強化
1. CT画像と連動する3Dアプリケーション【SCORE Navi+Plus】
ワークステーションに術前CT画像を取り込み、血管撮影システムのCアームとの角度連携や透視との重ね合わせが可能になったという。CT画像を直接治療画像に結びつけることで、術前の治療計画から術中ナビゲーションまでをシームレスに行える。
2. デバイス検出率を向上させたPCI支援アプリケーション【SCORE StentView+Plus】
安全・正確なPCIを支援する当社独自のアプリケーション「SCORE StentView」を発展させ、心拍により常に動いているステントをリアルタイムで固定・強調表示する機能に加え、直前の透視画像などからROI(関心領域)を設定できる機能を新たに追加した。透視画像上で検出エリアを絞り込むことで、複数デバイスを使用する手技においてもデバイスの検出率が飛躍的に向上し、治療時間の短縮につながるという。
3. 大動脈ステントグラフトに有用な自動トレースマッピング【SCORE MAP】
DSA*画像を元に、血管壁輪郭のみを自動抽出するトレースマッピング機能を新たに開発した。透視画像と重ねることでワイヤやデバイスの視認性を飛躍的に高めることができるので、造影濃度の均一化が特に困難な大動脈における血管内治療に役立つとともに、造影剤の低減にもつながる。また、マッピング領域の絞り込みや、術者自身でスケッチも可能なため、よりスムーズな手技をサポートする。
*DSA(Digital Subtraction Angiography)
…造影剤投与後の骨と血管の画像から、骨だけの情報をリアルタイムでデジタル・サブトラクション(引き算)処理することで、血管だけを描出する撮影方法。
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(株)島津製作所
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