1.合弁会社設立の理由
中国では、高度な医師が不足している上に都市部に偏在しており、都市部と地方との医療格差が顕在化している。広大な国土を抱える中国では、これを是正するのは容易ではない。中国政府は、この状況を改善し、医療のクオリティを高める為の施策として、遠隔医療を後押しする政策を立て続けに打ち出しており、遠隔医療のビジネスが大きく飛躍しようとしている。また、巨大な富裕層人口を抱える中国では、それら富裕層による海外への医療ツーリズムが大きなビジネスになっている。特にがん等の早期診断や先進治療における日本の医療への期待は非常に高く、ツーリズムと組み合わせて、中国国内で撮影された放射線や病理の画像を日本の医師が遠隔で診断する需要があり、遠隔医療は国境を跨ぐ形でも活用されようとしている。
合弁相手先である北京ヘルスバンク・テクノロジー有限公司は、医療サービス事業に特化したベンチャー企業だが、富裕層向け医療ツーリズムの事業を既に立上げており、また中国国内の有数の医療機関とも提携関係にある。一方、テクマトリックス・グループにおいては、平成19年に合同会社医知悟を設立し、遠隔による放射線、病理等の画像診断を支援するITサービスを日本国内で展開しており、遠隔医療の技術とノウハウを有している。この度、両社で合弁会社を設立し、両社の顧客、ネットワーク、技術、ノウハウを最大限活用しながら中国における遠隔医療事業に参入する。
2.合弁会社設立(業務提携)の内容
合弁会社の登記完了後、合弁会社とテクマトリックス(株)はソフトウェアライセンス契約を締結し、テクマトリックス(株)ならびに子会社の合同会社医知悟が開発した遠隔医療ソフトウェアのライセンスを供与する。合弁会社では、本ソフトウェアを基盤に早期に事業を立ち上げるとともに、中国の顧客や業務の要求に基づいたローカリゼーション、追加機能の開発を行う。
また、合弁相手先である北京ヘルスバンク・テクノロジー有限公司が保有する中国国内の病院、医師、顧客等の資産を活用するとともに、合弁会社が計画する医療ツーリズムに関わる遠隔医療事業では、合同会社医知悟のユーザーである日本国内の医師のネットワークを活用する。
3.合弁会社の概要
(1)名 称 北京传祺泰科医疗信息技术有限公司(仮)(日本語名称:北京ヘルステック医療情報技術有限公司)
(2)所在地 北京市
(3)代表者の役職・氏名 董事長 曹培海
(4)事業内容 遠隔医療システムの開発・販売
遠隔医療システムに関わるITサービスの提供
(5)資本金 1,000万人民元(約2億円)
(6)設立年月 平成27年8月(予定)
(7)決算期 12月
(8)出資比率 北京伝祺盛世健康科技有限公司:60%
テクマトリックス株式会社:40%
4.合弁相手先の概要
(1)名 称 北京伝祺盛世健康科技有限公司(北京ヘルスバンク・テクノロジー有限公司)
(2)所在地 北京市朝陽区
(3)代表者の役職・氏名 董事長 曹培海
(4)事業内容
①健康診断、機能性医学、アンチエージングなどによる健康管理
②重大疾患の早期予防、治療 などの医療支援サービス
(5)資本金 1,500万人民元(約3億円)
(6)設立年月 平成25年7月
(7)決算期 12月
5.合弁会社の業績見通し
合弁会社である北京ヘルステック医療情報技術有限公司は、平成28年12月期における黒字化を目指している。
6.業績に与える影響
本合弁会社設立による平成28年3月期連結業績に与える影響は軽微である。なお、今後、合弁会社の事業が本格化し、当社連結業績に重要な影響が見込まれる場合には、別途公表される。
●お問い合わせ
テクマトリックス(株)
https://www.techmatrix.co.jp/