セント・ジュード・メディカル(株)は、OPTISTM Mobileシステムを上市することを発表した。可動式システムの本製品は、複数のカテーテル検査室を備える病院向けに、OCT(光干渉断層撮影法)と血管造影画像を1つのポータブルシステムに結合することを目的として設計されたものである(アンジオ同期機能)。
世界的に血管疾患は増加しており、一方、技術的な進歩により、カテーテル検査室では侵襲を最小限に抑えた経皮的冠動脈形成術(PCI)が積極的に行われ、治療結果の改善や入院期間の短縮、医療費の削減とともに、開心術の代わりとなる方法を患者に提供している。最新のOPTISTMシステムは、患者の治療結果を改善するためにデザインされた診断ツールを1つのポータブルな装置に組み込んでいるため、医師は血管疾患の治療に向けたPCIを効果的に最適化することができる。
OPTISTMMobileシステムは、PCI最適化アンジオ同期機能を搭載したOPTISTMIntegratedシステムの技術をベースとしている。OPTISTMMobileシステムは、冠動脈の解剖学的形態の精密なOCT画像に基づきつつ、同時に血管造影図を介して正確な位置を把握しながら、医師が、より適切なステント留置を行うことができるように設計されている。また、同システムには、PCIの治療方針決定の際に冠血行動態(循環)の詳細な情報を医師に提供するPressureWireTMFFR測定技術も組み込まれている。臨床データでは、同社製FFR技術による生理学的測定により、転帰が向上し、従来の画像診断ツールよりも医療費を削減できることが示されている(注1)。
和歌山医科大循環器内科教授の赤阪隆史医師は、「インターベンション治療の最適な治療方針決定にはさまざまな情報を統合した判断が必要とされています。精密な冠動脈イメージング情報を提供するOCT画像の正確な部位把握を可能とするアンジオ同期機能が搭載された新しいモバイル式OPTISTMMobileシステムを用いると、OCT画像が冠動脈造影上のどの部位の画像であるかを瞬時に判断することが可能です。さらに、複数のカテーテル検査室を保有する病院においてその可動性と、本システムに併載されたFFR機能により、最適なPCI治療方針・戦略決定と治療効果判断に役立ちます」と述べている。
PCIはステント留置術のようなカテーテルに基づく手技で、閉塞やプラーク形成のある冠動脈を開通させて心臓への血流を再建することを目的としている。従来、PCI手技のガイドとして、医師は血管造影か血管内超音波法のいずれかに頼ってきた。同社製ILUMIENTMOPTISTMシステムはOCTとFFR技術を初めて組み合わせ、冠動脈血管内の血流閉塞を、より詳細に、生理学的かつ解剖学的に分析できるようにした。
同社のグループプレジデントであるエリック・フェイン医師は次のように述べている。「OPTISTMMobileシステムは、日々の診療においてOCTと血管造影画像の同期(アンジオ同期)を可能としたもので、医師の方々により多くの選択肢を提供する製品を開発するというセント・ジュード・メディカルの継続的なコミットメントを示すものです。血管内超音波検査法と比較して、OCTは解像度が高く、非常に詳細な冠動脈画像を提供することができるため、特に複雑な症例でのPCI手技時の操作性が向上します。」
(注1)The new England journal of medicine,Vol.,360 No.3,January 15,2009
Journal of the American College of Cardiology,Vol.56,No.3,2010
承認番号:22300BZX00306000
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