キヤノンマーケティングジャパン(株)(以下キヤノンMJ)は、このほど医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place(メディカルイメージプレイス)」を拡充する。医療施設内の医用画像をクラウド上で閲覧、保管、管理できる“医用画像システムサービス”を2016年4月15日より開始する。
キヤノンMJグループは中長期経営計画の成長戦略として医療事業の強化・拡大に注力している。キヤノンMJは2014年9月に3D医用画像解析技術に強みを持つ(株)AZEをグループに迎え入れ、10月には医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place」を開発し、遠隔読影インフラサービスと医用画像外部保管サービスを開始するなど、医療画像ソリューション事業を強化してきた。このたび本基盤上で稼働させるサービスの第三弾として、医療施設内の医用画像をクラウドサービス上で閲覧、保管、管理できる“医用画像システムサービス”の提供を開始する。
昨今の診療報酬改定を機に、CT(コンピュータ断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)など高度な画像診断機器の共同利用が推進され、地域医療連携のニーズが高まっている。また、医療施設内で発生する医用画像データ量の増加にともない、保管が義務付けられている医用画像データを医療機関内で保管、管理する負荷が拡大している。こうした地域医療連携や医用画像データ保管の需要拡大に対し、キヤノンMJグループは医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place」をベースに医用画像を簡単に連携、共有できるサービスを提供し、医療の質向上に貢献していく。
新サービス“医用画像システムサービス”を利用することで、医師はCTやMRI、X線撮影装置などで撮影した患者の検査画像をクラウド上で保管でき、必要に応じてクラウド上から医用画像を閲覧できる。医用画像の閲覧は、キヤノン(株)が提供する「統合医療画像管理システム」の画像俯瞰機能を活用することで、画像種別と時系列のマトリックスで表示できる。また、「Medical Image Place」専用端末を施設内に設置することで、クラウドの通信形態が各省庁のガイドラインに準拠した高度なセキュリティ環境を構築できる。さらに、従来の設置型PACS(医用画像管理システム)で必要な、サーバー・ソフトウエアの購入や複雑なネットワーク構築、保守サービスの加入などが不要で、サーバーやソフトウエアをクラウド経由で必要に応じて利用することができ、システムの保守サービスを最小限に抑えることが可能。
キヤノンMJは今後、医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place」をプラットフォームに、3D医用画像解析技術を活用した診断支援アプリや、製薬メーカーおよびCRO(治験画像読影)向けに特化したサービスなどを順次提供していく計画だ。
サービス名:医用画像システムサービス
サービス使用料(参考):保管容量に応じた利用料※
サービス開始日:2016年4月15日
※別途初期費用が必要
<“医用画像システムサービス”の概要図>
<“医用画像システムサービス”の特長>
■さまざまな画像から文書まで患者ごとにマトリックス表示
X線一般撮影画像やCTなどのDICOM画像だけでなく、デジタルカメラで撮影した静止画や動画、紙の紹介状や診断書の文書データまで、患者ごとに一覧でマトリックス表示することが可能。マトリックス表示により医療従事者の画像参照のスピード化が図れ、必要な情報を一目で見つけることができる。また、特別なソフトウエアをインストールする必要がなく、ウェブブラウザーで動作するため、場所を選ばず画像を参照することが可能。
※ウェブブラウザーのバージョンについては別途仕様あり。
■在宅医療での利用を想定したタブレット対応
かかりつけのクリニックで撮影された画像はキヤノンMJグループが運営するクラウドサービス基盤に保管され、在宅で診療する場合は過去の画像をタブレットから確認することが可能。また、夜間や救急時に専門医が自宅の端末を利用して画像の確認、レポートの記入を行うことで、病院にかけつけることなく迅速に閲覧することが可能になる。
■地域医療連携で検査予約と画像の共有が可能
地域内で連携している病院とクリニックを結ぶオンライン検査予約を搭載。連携した医療機関の各種検査機器をいつでも予約でき、地域での包括的な医療の質向上に貢献する。また、連携先の病院で実施した検査画像と読影を行ったレポートはWEB上から閲覧できる。
●お問い合わせ
キヤノンMJ(株) 医療ソリューション推進課
TEL:03-3740-3412
URL:http://www.canon.jp/