~低侵襲の植込み型心臓モニタ、従来品より87%小型化
原因不明の失神を長期間モニタリング、潜因性脳梗塞の患者にも適応拡大~
日本メドトロニック(株)は、原因が特定できない失神に加え、潜因性脳梗塞の患者の診断に使用する植込み型心臓モニタ「Reveal LINQ®(リビール リンク)」を、2016年9月1日(木)から全国で販売を開始。従来品と比べて、体積比で87%小型化しながらも、データの蓄積量を20%増加させ、従来の植込む(インプラント)イメージの手術を変え、体内にインサーション(挿入)するというコンセプトで開発された。これにより、従来品と比較して、挿入時の手技が簡略化され、低侵襲が実現。
Reveal LINQ®
(販売名:メドトロニック Reveal LINQ 医療機器承認番号:22800BZX00111000)
Reveal LINQとは
「Reveal LINQ®」は胸部皮下に挿入し、最長3年間の持続的な心電図モニタリングが可能。いつ起こるか分からない失神や、潜因性脳梗塞の主な原因の一つと言われる心房細動は、一般的に行われているホルター心電図検査や体外式ループレコーダーによる検査では検査時間が短く、検出し難いと言われている。同製品を使用することで、失神が起きた際の心電図を調べることや、潜因性脳梗塞患者さんに心房細動があるか調べることができるので、症状が心臓の病気に由来するものなのかどうかを医師が判断する手助けになる。なお、「Reveal LINQ®」は、条件付きで1.5または3テスラのMRI検査が可能。
Reveal LINQ®の特長
①挿入時の操作を簡略化し医師の負担低減
医師が挿入する際の手術時間を短縮できるよう手技を簡略化。手術時間が短縮 されることにより患者の負担も軽減される。
②患者自身も気づかない不整脈を自動的に医師へ送信可能
「Reveal LINQ®」が自動的に記録した不整脈を医師に送信することができる。これにより、従来は必要とされていた蓄積したデータ確認のための通院が不要。
③潜因性脳梗塞にも保険適用
近年新たな研究により、潜因性脳梗塞の患者における心房細動の検出に、植込み型心臓モニタによる長期間のモニタリングが有効であることが明らかになった。「Reveal LINQ®」は潜因性脳梗塞の患者さんに使用した場合にも保険適用となるため、脳梗塞の再発予防にも役立つことが期待される。
済生会熊本病院循環器内科の奥村謙医師は次のように述べている。
「日常診療の現場において、患者に提供する医療テクノロジーは日々進歩している。この最新デバイス「Reveal LINQ®」により、今まで検出できなかった病気の原因を特定することが可能となり、より有効で安全な治療につながることを期待している。何よりも、原因が特定されずに不安な生活を送られている患者にとって大きなメリットとなるだろう。」
【失神とは】
失神は、脳全体に十分な血液が供給されなくなったために一時的に意識を失うものとされる。失神の原因は多岐にわたりますが、よくある原因として、①神経の調節機能の障害によるもの②起立性低血圧によるもの③心臓の病気が原因となるもの、が挙げられる。失神の原因疾患は致死性のものである場合もあり、心臓の病気が原因となる場合には重篤な症状につながる可能性がある。日本では、毎年20万人の失神患者が病院に搬送されていると推定され、そのうち20~30%は従来の検査方法では診断できない原因不明失神とされている。※1
【潜因性脳梗塞とは】
脳梗塞の多くは脳血管の病変や、心臓などでできた血栓による塞栓症が原因と考えられているが、十分な精査にもかかわらず原因が特定できない脳梗塞が潜因性脳梗塞である。これらの大半は塞栓源不明塞栓症と考えられ、原因の一つとして潜在性心房細動が注目されている。潜因性脳梗塞の頻度は研究によって差があり、原因不明の脳梗塞は全体の16~39%と報告されている。※2
※1 失神の診断・治療ガイドライン(2012年改訂版)
※2 Hart RG et al:Embolic strokes of undetermined source: the case for a new clinical construct.Lancet Neurol 13(4):429-438,2014
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日本メドトロニック(株)
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