(株)日立製作所(以下、日立)は、11月9日、10日の両日、上野イーストタワー(東京都台東区)において、日立の粒子線治療システム(以下、システム)のユーザーを招き、2回目となるユーザーミーティングを開催した。当日は、日立がシステムを納入予定のユーザーを含め、日本、米国、アジアから世界の医療をリードする12施設のユーザーが参加した。
粒子線治療は、外科治療等の他の治療法に比べて副作用が少ないことや、治療後の社会復帰も比較的早く、高齢者にも適用できるというメリットがあることから、世界中で、導入が検討、実施されている。また、日本では、2016年4月から、小児がんの陽子線治療と、骨軟部がんの重粒子線治療が保険適用となるなど、がん治療法の一つとして認知・普及が進んでいる。
このような中、日立は、日本および米国の世界トップクラスの医療機関にシステムを納入し、これまでに12,000名以上の患者が日立のシステムで治療を受けるなど、粒子線治療システムにおいて、高い信頼性と実績を有している。さらに、本年は、シンガポール国立がんセンターと香港養和病院から受注しており、事業のグローバル展開が進んでいる。
ユーザーミーティングは、日立の粒子線治療システムのユーザーである世界トップクラスの医療機関の医師・医学物理士・診療放射線技師と日立のシステム開発者が、システムに対する要望を協議し、開発ロードマップへ反映するとともに、ユーザー同士の情報交換や情報共有の場となることを目的として、2015年から開催している。
2回目となる今回は、粒子線治療のさらなる普及に向け、治療中の患者の負担をより軽減するために、システムが有すべき性能や操作性などについて議論した。具体的には、治療時間を短縮するための患者セットアップ室や、MRIやCTなどの画像診断機器と組み合わせたより良い治療について活発に議論を交わした。また、各施設での症例紹介や各国の保険適用の状況についても情報を共有した。
今回のミーティングの出席者であり、2014年に日立と「陽子線治療システムPROBEAT-RT」を共同開発した北海道大学の医学研究科放射線医学分野の白 博樹教授は「日立とは引き続き共同開発を続けていきたいと思っています。今回のユーザーミーティングで得られた世界トップの医療機関からの意見も取り入れて、より優れた粒子線治療システムを構築されることを期待しています。」と述べている。
日立の執行役常務 ヘルスケアビジネスユニットCEOの渡部眞也は、「これまで、日立は、北海道大学との協創で、先進的な粒子線治療システムを提供してきました。今後は協創の枠組みを広げ、多くのユーザーと、より良いシステムの開発を進めていきたいと考えています。今後もユーザーミーティングを通して、ユーザーの皆さまの生の声を聴くことを大切にしていきます。」と述べている。
●お問い合わせ
(株)日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット 放射線治療システム事業部
担当:藤崎、大澤
TEL: 03-6284-3741(直通)
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