EIZO、医用画像の読影効率の向上と、省スペース化を実現する、新機能搭載の30型ワイド6メガピクセル医用モニターを発売

2016.11.16

 EIZO(株)は、30型カラー医用画像表示モニター「RadiForce RX660」を2017年2月15日に発売する。価格はオープン価格※。
※オープン価格の製品は標準価格を定めていない。
 

1.概要
 「RadiForce RX660」は、対角30インチのワイド画面上に、600万画素(6メガピクセル)の情報量を表示できる医用画像表示モニターである。医療の現場では、医用画像装置の性能向上により、医師が読影する医用画像が増加しているため、作業の効率化が求められている。
 このニーズに対して、EIZOはこれまでも大型ワイド画面のモニターを販売してきたが、今回発売のRX660では、読影効率のさらなる向上が見込まれ、さらにデスク上の省スペース化を実現できる、EIZO独自の新開発「Work-and-Flow(ワーク・アンド・フロー)」機能を搭載した。
 また、従来機種では電源が外付けになっていたが、RX660は電源を内蔵しつつも、従来機種と比べ筐体を薄型化、軽量化した。

 
2.詳細
読影作業の効率化の追求
 医用画像撮影装置のデジタル化や性能向上により、一人の患者の診断に、X線やMRI、CT、超音波など多くの、また複数種類の医用画像が使用されるようになっている。これら複数の画像は、3メガピクセルのモニターを2台並べて表示するのが一般的であったが、EIZOは2013年12月にこれを1台に集約できる6メガピクセルモニターRadiForce RX650を発売した。従来の3メガピクセルモニターを2台設置する構成を、6メガピクセルモニター1台に集約することで、モニター間の額縁が無くなり、目線の移動によるストレスが軽減でき、また多くの医用画像を自由にレイアウトして表示できるため、読影作業の効率化に繋がった。

 これに加え今回同社は、さらに快適な作業環境を実現し、読影の効率を一層向上させるため、新機能「Work-and-Flow」を開発し、新機種RX660に搭載した。
 
「Work-and-Flow(ワーク・アンド・フロー)」機能
 病院施設内で放射線科医が画像診断を行う読影室では、医用画像を表示するRX660のような読影用モニターの他に、検査リスト表示用のモニターと、読影結果を書き込む読影レポート表示用のモニターを横に並べて使用する。また、患者の症状や受診履歴などを確認するため電子カルテも参照することから、電子カルテ用のPCとモニターが必要となる。つまり、放射線科医のデスクには、2台のPCと3、4台のモニターが設置されているケースがある。
 このような使用環境を想定して開発したWork-and-Flow(ワーク・アンド・フロー)は、「Hide-and-Seek(ハイド・アンド・シーク)」と「Switch-and-Go(スイッチ・アンド・ゴー)の2つの機能から構成されている。

 
<Hide-and-Seek機能>
 Hide-and-Seekは、RX660の画面上に他モニターの画面を重ねて表示するピクチャー・イン・ピクチャー(PinP)機能だ。モニター前面に装備されたOSD(オンスクリーンディスプレイ)ボタンを押して使う一般的なPinP機能と異なり、マウスカーソルの操作で表示、非表示が行える。例えば、表示中の医用画像とは異なる種類の検査画像や過去の検査画像を参照したい場合は、マウスカーソルをRX660画面の所定の位置に移動させるだけで、検査リストが表示され他の検査画像を選択できる。このため、検査リスト表示用のモニターが不要となり、その分の導入コストや設置スペース、電力消費を削減できる。

<Switch-and-Go機能>
 Switch-and-Goは、キーボード・マウス切り替え機能で、読影用PCと電子カルテ用PCそれぞれに必要だった2組のキーボードとマウスを、1組に集約できる。マウスカーソルをそれぞれのPCのモニター画面に移動させるだけで、操作したいPCのマウス・キーボードの操作に自動的に切り替わる。これにより、従来はPCそれぞれの作業にキーボード・マウスの持ち替えが都度必要だったが、これが不要になることで作業効率が向上する。また、キーボード・マウスが1組不要になるため、デスク上の作業スペースが広がり、整頓された快適な読影環境を実現する。

Work-and-Flowのスペシャル映像
 
デザインの改良
 RX660は、従来機種RX650と比べて外形寸法を横9.5 mm、奥行き56.5 mmスリム化した。また、従来機種では電源が外付けアダプタであったのに対し、RX660は電源をモニター本体に内蔵し、デスク周りの設置スペースを約23%削減した。RX660と並べて設置する検査リストや電子カルテ表示用のモニターは狭額縁タイプが多いが、このようなモニターと比較しても遜色のない、すっきりとしたデザインになっている。

 また質量は、電源をモニター部に内蔵しつつも、従来機種と比べて、6 kgの軽量化を実現した。持ち運びも容易となり、設置時の負担を軽減する。
 
その他の新しい機能
Sharpness Recovery機能
 医用モニターの運用輝度を長期間安定して維持する方法として、画面の高輝度化がある。しかし、高輝度を達成するために液晶パネル上の画素の開口率を上げると、画像がぼやける弊害が生まれる。RX660に搭載したEIZO独自のSharpness Recovery機能は、画像をぼやけさせることなく従来機種と同等の鮮鋭度を保ちながら、800 cd/m2から1,000 cd/m2への高輝度化を実現し、長期にわたり安定した性能を発揮する。
 
DisplayPort 1.2接続
 DisplayPortは、PCのグラフィックスボードやモニターなどの情報機器ハードウェア間で映像信号を送受信するための規格。RX660は、このDisplayPort 1.2に対応した入力端子と出力端子を搭載する。これにより、解像度6メガピクセルの表示を行うために、従来機種ではPCとモニターを接続するのに信号ケーブルが2本必要であったのに対して、1本だけで接続できるようになった。さらに、出力端子を活用して2台目のモニターをデイジーチェーン(数珠つなぎ)接続できるため、従来機種と比べて配線がシンプルになる。
 
<展示会情報>
 同社は、2016年11月27日(日)~12月1日(木)に米国シカゴのMcCormick Placeで開催される「第102回北米放射線学会(RSNA 2016)」で同製品を展示する。

RadiForce RX660の製品情報
Work-and-Flowのスペシャル映像

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EIZO株式会社 営業1部 メディカル課
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