日立製作所と日立インド、インドで病院のエネルギー消費最適化の実証事業を開始

2017.03.30

ICTを活用した病院運営の最適化を通じ、病院全体の消費電力30%削減をめざす

 (株)日立製作所(以下、日立)と日立インド社は、このたび、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が実施する、「ICT活用型グリーンホスピタル実証事業」の委託を受け、インドにおいて病院全体の運営改善を通じたエネルギー消費の最適管理および病院の診療効率改善に関する実証事業を開始する。
 実証期間については、2017年3月から2020年3月までの3年間を予定している。

 約12億5千万人の人口を抱えるインドでは、社会インフラの整備が急務となっている。特に、近年の急速な経済発展に伴い電力不足が深刻化しており、インド保健家族福祉省は、インド最大の国立医療機関であるAll India Institute of Medical Sciences(以下、AIIMS)の省エネ化を進め、他の病院へのモデルケースとする「Green AIIMS構想」を2014年6月に発表した。

 日立は、本構想の実現を支援するため、2015年4月から2016年2月まで、AIIMSのニューデリー校での実証を想定した実証前調査*を行い、このたびNEDOの事業化評価を経て、実証実験を開始することになった。

 本実証事業では、AIIMSニューデリー校を対象に、エネルギー消費の最適管理や診療効率の改善を行う病院運営最適化システムであるICT Platformの構築を行う。具体的には、太陽光発電設備の新設、冷凍機や蛍光灯などの既存設備を高効率冷凍機やLED照明などの高効率なものへと更新するとともに、病院全体のエネルギー使用状況の把握・可視化および制御を行うためのシステムを構築する。また、省エネ型のIT機器を導入して、医療画像データの電子管理を加速していく。これらの取り組みを通じ、病院全体の消費電力を2014年度(実績)比で30%削減をめざし、病院全体のエネルギーマネジメントの有効性を実証することを通じて「Green AIIMS構想」の実現を支援する。

 また、将来的には、ユーティリティ設備や医療機器から得られる運転情報、病院情報システムから得られる診療情報、気象情報などをICT Platform上で統合し、ユーティリティ設備の最適運転計画を立案や、さらなる省エネをめざす。そして、蓄積していく医療データの横断的な活用を通じ、より一層の病院運営・診療効率改善に取り組んでいく。

 日立は、ヘルスケア分野のイノベーションをはじめ、デジタル技術を活用した社会イノベーション事業を通じて、インド社会の中長期的発展に貢献していく。

病院運営最適化システムのイメージ図

*日立製作所ニュースリリース「日立がインドでの病院の省エネを実現する実証事業へ参画」

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(株)日立製作所ヘルスケアビジネスユニット ヘルスケアソリューション事業部[担当:岩田]
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