日立のヘルスケア・ICT と、飯塚病院の運営・現場改善ノウハウを融合
(株)日立製作所(以下、日立)は、このたび、(株)麻生(以下、麻生)とヘルスケア分野で提携し、医療機関向けコンサルティングサービス「病院経営改善支援サービス」を6月1日から提供を開始する。本サービスは、日立のヘルスケアやICTの関連技術と、(株)麻生 飯塚病院(以下、飯塚病院)が有する独自の運営・現場改善ノウハウを融合し提供するもので、病院経営の効率化や医療の質の向上に貢献する。
日本において医療機関の経営環境は、2014 年度の消費税増税、2016 年度の診療報酬のマイナス改定や医師不足などにより、厳しさを増している。また、超高齢化社会の到来、画期的な新薬や医療機器の開発などを背景として、医療費は2015 年度に41.5 兆円*に達するなど、増加し続けており、医療費の抑制は国家財政上の大きな課題となっている。このような状況のもと、医療機関においては、経営の効率化が強く求められている。
日立は、金融・公共・ヘルスケア分野を社会イノベーション事業における注力4 事業分野の一つと位置づけている。ヘルスケア分野では、画像診断装置や粒子線がん治療システムをはじめとする診断・臨床領域とともに、IT を活用したインフォマティクス領域を強化しており、地域包括ケアシステムや診療情報のデータ集積基盤の構築など、医療機関や社会の課題解決に向けたイノベーションの実現に取り組んでいる。
一方、麻生は、飯塚病院を1918 年に開設して以来、開設者である麻生太吉翁の「郡民のために良医を招き、治療投薬の万全を図らんとする」という開設の精神を受け継ぎ、経営理念である“We Deliver The Best―まごころ医療、まごころサービス それが私達の目標です―”をモットーに診療活動を行っている。飯塚病院は独自の病院運営ノウハウを保持しており、特に、企業経営において広く活用されている経営管理手法であるTQM(Total Quality Management)を、医療機関で先駆的に導入して、長年にわたり実践している。飯塚病院のTQM 活動は、直接、患者などの顧客にサービスを提供する医療従事者だけでなく、管理部門を含め病院全体で医療の質の向上や経営の効率化に取り組んでおり、国内外の医療機関の参考とされている。
日立は、麻生との提携を通じて、日立の画像診断装置をはじめとするヘルスケアおよびデータ分析などICT の関連技術と、飯塚病院が培った病院運営ノウハウを融合し、医療機関に対して経営のアセスメント(評価・分析)と改善施策立案を行う「病院経営改善支援サービス」を提供する。
具体的には、飯塚病院の運営に関する各種情報を参考に日立が開発した経営診断ツールによって医療機関の経営状況を点数化し、課題点を抽出するなど、多面的な評価・分析を行う。その結果に基づき、病棟再編・病床転換や画像診断機器の稼働率向上などのシミュレーションや共同ワークショップを実施し、「あるべき姿」に向けた改善施策を立案する。そして、医療機関によるアクションプランの具体化、実行を支援し、医療機関の経営の効率化や医療の質の向上に貢献する。
日立は、今後、飯塚病院の協力のもと、飯塚病院のTQM 活動に関するノウハウを提供するサービス、日立が持つ業務プロセス最適化のシミュレーション技術、病院の経営データを多角的に分析するツールをはじめとするソリューションや病院運営業務の受託サービスなど、サービス内容の拡充・強化を図る。医療機関の経営を支援する長期的なパートナーとして、日本の医療の発展に貢献していく。
*出典:厚生労働省「平成27 年度 医療費の動向」
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