●調査結果によると、世界の成人就業者のうち、よく眠ることよりも仕事に価値を置いている人は1 割だけ。ただし、米国では他国に比べ、仕事に対するプレッシャーは強い様子。
●世界の成人*の9割以上が睡眠は全般的な健康充足にとって重要であると考えているが、よく眠ることにまさるもの(配偶者・パートナー、家族、友人と過ごす時間、仕事など)も存在すると回答した割合は8割以上。
オランダ、アムステルダム – ロイヤル フィリップス(NYSE: PHG, AEX: PHIA)は、「世界の睡眠優先順位の実態(Unfiltered Sleep: A Global Prioritization Puzzle)」と題する報告書を発表した。
この報告書では、5カ国(米国、オランダ、ドイツ、フランス、日本)の成人6,461 名を対象に、睡眠をどのように認識し、優先づけ、備えているか調査するとともに、睡眠が仕事や人間関係、趣味といった日常の活動にどのような影響を与えているかを調べた。
集計結果をみると、対象者は睡眠の重要性は認識しているものの、日々一刻を争う対応を余儀なくされており、睡眠の優先順位は下がりがちになることが明らかになった。
フィリップスは、ヘルステックカンパニーとして、健康に重点を置いており、正しい食事と運動に加え、よく眠ることが健康的な生活に重要であると考えている。しかしながら、日常生活で優先順位が変わり、時間が足りなくなると、る睡眠が後回しにされることがよくある。今回の調査でも、性生活、家族、友人、仕事など多種多様な活動が夜よく眠ることよりも優先すると回答した成人が8割以上(84%)に上り、またこうした活動がよく眠ることへの妨げになっているとも考えられる。
「睡眠は『健康的なライフスタイル』の方程式に実質的に欠かせない重要な要素ですが、正しい食事や運動といった他の基本要素よりは重要性が劣ると考えられ、ないがしろにされることが多くなります」。フィリップスのチーフ・メディカルリエゾンを務めるテオフィロ・リー・チョン氏はこう述べ、次のように解説している。「ヘルス&ウェルネスについては、適度な栄養、運動、ポジティブメンタルヘルスに睡眠という4本脚のテーブルであると新たに考える必要があります。もし、食事と運動だけを大切にすると、そのテーブルはバランスを失います。わずか一晩でも睡眠の質が下がれば、行動や安全、幸福感に直に影響を及ぼす可能性も考えられます」。
*「世界の成人」とは、全ての調査国(米国、フランス、ドイツ、オランダおよび日本)を合わせた結果を指す。
また、文中で記載している「成人」は18 歳以上となる。
今回調査をした5 カ国全体をみても、健康全般にとって睡眠が重要であるという認識されている。
事実、回答者の92%が「睡眠は全般的な健康充足にとって極めて重要である」と考えている。また、睡眠の質とQoLや人間関係に直接的な関連性があると答えた回答者も多数みられた。
その他に重要な結果は次の通りである。
●睡眠は人間関係にとって重要だと考えられている。
回答成人の約4分の3(74%)は、よく眠ることは幸せな結婚生活の鍵であると答えている。
とりわけ日本でその傾向が強く(89%)、米国(79%)とオランダ(71%)が後に続いている。
●一晩よく眠れないと、悪影響を実感していた。
世界の成人の8 割以上(82%)は、たった一晩でもよく眠れないと、悪影響を実感している。その割合はフランス(87%)と日本(86%)で最も大きくなった。報告された悪影響の上位3つは、疲れて見える(40%)、生産性が落ちる(40%)、やる気が出ない(35%)だった。
しかし、未だに認識と現実との間にずれがある。
夜ぐっすりと眠ること以上に重要なことが日々の生活に存在すると回答した成人は8 割以上(84%)に上る。
●一晩よく眠ることより家族との時間
家族との時間が夜よく眠ることよりも大切であると回答した割合は、フランスが約半数(53%)、米国とドイツが半数未満(46%、48%)だった。
●仕事より睡眠がずっと大切(米国を除く)
世界の成人就業者で、睡眠よりも仕事を優先している人は1割に過ぎない。また仕事優先へのプレッシャーは米国の方がわずかながら高いようである(米国13%、他の4 カ国は10%)。米国の就業成人の4 分の1 以上(30%)は、寝静まっている深夜にメールを送っていると回答しており、仕事を優先していることがうかがえる。
●テレビ視聴後に就寝の習慣多数
就寝直前の過ごし方はさまざまであるが、テレビの視聴という回答が最多(28%)だった。また、就寝前に画面oFF の時間を十分にとる必要があると報告されているにもかかわらず、半数近くの成人(47%)が、画面を見る時間(テレビを見る、電子機器で読書をする、メールをチェックする、ウエブサイトを見る等)が就寝前の最後にすることだと答えている。
フィリップスで行動変容グローバルリーダー(Global Lead for Behavior Change) を務めるマーク・アロイア博士はこう前置きし、次のように述べている。「とりわけ米国では、働ける時に眠ることに否定的な考えを持っている。他国の文化でも、睡眠を日々の最優先事項とするのが難しくなっている。1日を終える際の睡眠は、全般的な健康充足の方程式の中で重要な要素を占めており、健康を支える重要な柱と考える必要があります」。
「世界の睡眠優先順位の実態(Unfiltered Sleep: A Global Prioritization Puzzle)」の詳細については、Philips.com/WorldSleepDay(英文サイト)をご参照ください。
参考資料:
緒言および方法
十分な睡眠は健康の維持に不可欠であり、生命を育むためには食事や運動以上に重要な要素の1つである。しかし、世界中の人々が時間に追われている現在では、さまざまな日常活動によって睡眠の優先順位は下がりがちである。フィリップスは、米国、フランス、ドイツ、日本、オランダの5 カ国の人々が睡眠の重要性をどのように位置づけ、睡眠が仕事や人間関係、趣味といった日常の活動にどのような影響を与えているかを調査するため、調査を実施した。
この調査は、フィリップスの委託を受けたHarris Poll社が2017年2月15日から17日までの3日間にわたり、オンラインで実施した。対象は18 歳以上の成人で、米国人2,055名、フランス人1,055名、ドイツ人1,016名、オランダ人1,021名、日本人1,314名から回答を得た。
この調査は確率抽出法によらないため、理論的サンプリング誤差は算出されません。重み付け変数をはじめ、具体的な調査方法をお知りになりたい方は、meredith.amoroso@philips.com までお問い合わせください。
睡眠の重要性は誰もが認めている
●世界の成人の9割以上(92%)が、睡眠は心身の健康にとって極めて重要であると考えている。
●世界の成人の約4分の3(74%)が、幸せな結婚生活のためにはよく眠ることが重要であると考えている。
●世界の成人の約7割(68%)が、毎日の睡眠時間を増やすことができれば、生活の質が向上するだろうと考えている。
●世界の成人の8割以上(82%)が、一晩よく眠れなかっただけで悪影響が生じると回答しており、この傾向はとりわけフランス (87%) と日本 (86%)で強く認められた。
日本を除く4カ国では、一晩よく眠れなかったために生じる悪影響の第1位は「疲れて見える」だったが、日本での第1位は「集中できない」だった。
一晩よく眠れなかったために生じる悪影響
睡眠の優先順位
世界中の成人が睡眠の重要性を認識しているにもかかわらず、睡眠は最優先されてないのが現状である。
●自分は「よく眠れる人」(good sleeper)であると回答した人は、かろうじて半数を上回る程度であり、とりわけフランスと日本ではこの割合が低い傾向が認められた。
世界の成人の約6割(62%) は自らを「よく眠れる人」であると評価しており、この割合が最も低かったのがフランス (59%) と日本 (58%) だった。
●世界の成人の約3割が、「よく眠る」ことは優先事項ではないと考えている。世界の成人の3割弱(28%)は、日々の生活のなかで睡眠を優先していないことが分かった。
●世界の成人の約4分の1(24%)が、皆が寝静まった深夜にeメールを送信していると回答しており、睡眠より仕事を優先していることがうかがえる。
●回答者の8割以上が、睡眠よりも性生活、家族、友人、仕事といった種々の活動を優先させており、こうした活動が睡眠の妨げになっている可能性もあると考えられている。読書やテレビ視聴を優先させている人も4分の1から3分の1におよんでいた。
○調査を行った5カ国全体で、「よく眠る」ことよりも重要であると回答された活動のトップ3は、「家族と過ごす」、「インターネットを使用する」、「好きなテレビ番組/映画を見る」だった。
「よく眠る」ことよりも重要な活動
よく眠るための工夫
世界の成人の約4分の3が、より長く良質な睡眠をとるために何らかの対策や工夫を講じており、とりわけ米国ではその傾向が強いことが分かった。
●回答者の約4分の3 (73%) が、よく眠るために何らかの対策を講じていた。また、米国(79%)では、他の4カ国[オランダ (70%)、フランス (74%)、ドイツ (72%) または日本 (72%) ]に比べて、よく眠るために何かを行っている人の割合が高いことが分かった。
●最も多かったのは、回答者の3割が行っていた「本を読む」だったが、その他の人々はもう少し手間や出費を必要とする方法を試していた。
o 本を読む(29%)
o 自然睡眠補助剤を服用する(17%)
o 一人で寝る (15%)
o 特殊なベッド、枕または寝具を買う(15%)
o アルコールを飲む(15%)
o テレビを点けっ放しにして寝る(14%)
o 処方された睡眠薬を服用する (13%)
o 市販の睡眠薬を服用する(10%)
o 祈る/瞑想する(9%)
o 空調装置を使用する (6%)
o 音楽を流す (6%)
o スクリーンのブルーライトをカットする特殊な眼鏡を使用する (4%)
o 照明を工夫する (3%)
o 睡眠時無呼吸治療装置を使用する (3%)
●回答者の6 割が、よく眠るために自宅でも旅行先でも睡眠のルーティンを守るように心がけていた。
その他の注目すべき所見:
●米国(20%)およびドイツ(20%)では、他の3カ国に比べて、よく眠る(推奨される8時間以上)ことよりも重要なことはないと考える人の割合が高いという結果が出ている。
●世界の成人の41%が、よく眠ることよりも家族と過ごす方が重要であると考えている。
●オランダの成人の22%が、一晩よく眠れなかっただけでは悪影響はないと感じている。
●米国の成人の96%がよく眠れなかった経験があると回答し、81%が一晩よく眠れなかっただけで悪影響を感じたことがあると回答している。
o よく眠れなかった経験がある人のうち、45%が一晩よく眠れなかっただけで疲れて見えたと回答し、42%が生産性が落ちたと回答している。
●世界の成人の73%がよく眠るために何らかの対策を講じたことがあると回答しており、とりわけ米国ではこうした工夫を行う人の割合が高い(79%)という結果が出ている。
o 世界の成人の29%が本を読み、17%が自然睡眠補助剤を服用していた。
●世界の成人の4 人に1 人以上 (28%) が、毎晩寝る直前までテレビを見ている。
●世界の成人の92%が、睡眠が心身の健康にとってきわめて重要であると考えている。
●日本の成人の87%が、幸せな結婚生活のためにはよく眠ることが重要であると考えている。
●米国の成人の91%が、眠るのを楽しみにしている。
●ドイツの成人の72%が、一定の睡眠スケジュールを守っている。
●フランスの成人の36%が、眠っている時も美しくありたいと考えている。
●世界の成人で長距離飛行を経験したことのある人のうち、59%が時差ぼけを防ぐために何らかの対策を講じている。
o 世界の成人の21%が、現地時間に適応するため、旅程の最初、最後またはこの両方に予備日を設けていた。
●とりわけドイツでは他国より多くの人がこれを実行していた (33%)。
●お問い合わせ
株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン
URL:https://www.philips.co.jp/