富士フイルム(株)は、必要な場所へ移動させて高画質なX線撮影ができる、移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO Go PLUS(カルネオ ゴー プラス)」(以下、「CALNEO Go PLUS」)を、富士フイルムメディカル(株)を通じて、2018年2月1日より発売する。本製品は、同社カセッテDR(*2)「FUJIFILM DR CALNEO Smart(カルネオ スマート)」シリーズと、独自のX線画像処理技術の組み合わせにより、CR(*3)方式のデジタルX線画像撮影装置に比べて約1/4(*4)のX線量でも、高画質な画像を実現する。また、高さを調整できる支柱の採用により、全高を1.27mまで低くできるため、移動時の前方の視野が広く確保でき、安全な走行をサポートする。
病院内において、手術中の患者や、レントゲン室への移動が困難な患者のX線撮影は、患者の元に移動型X線撮影装置を持ち込んで行われる。その際、広い病棟内を移動して、スペースが限られた病室でX線撮影を行うため、移動型X線撮影装置には、低線量で高画質なX線画像が得られることに加え、スムーズで安全な走行やコンパクトな車体などが求められる。また、近年は、撮影した画像をその場ですぐに確認できる利便性を持つ、カセッテDRを搭載した移動型デジタルX線撮影装置の普及が進んでいる。
今回発売する「CALNEO Go PLUS」には、独自の画像読取技術であるISS方式(*5)とノイズ低減回路(*6)によって、低線量でも高画質なX線撮影を可能にした「CALNEO Smart」シリーズを搭載。さらに、X線の散乱線(*7)成分を高速かつ忠実に算出し、撮影したX線画像のコントラストと粒状性を向上させる画像処理技術「Virtual Grid(バーチャルグリッド)処理」(*8)や、撮影した画像から人体の厚みや構造物を推定し、診断に適したコントラストと濃度に調整する「ダイナミック処理」(*8)の組み合わせにより、CR方式のデジタルX線画像撮影装置に比べて約1/4のX線量でも、高画質な画像を得ることが可能である。
また、本製品は、高さを調整できる昇降型の支柱を採用。本体の全高を1.27mまで低くでき、移動時の視野が広く確保され、前方が見やすくなる。そのほかにも、19インチの大型モニタを採用し、またカセッテDRなどの収納スペースを複数設けるなど、利便性を大幅に向上する工夫がなされている。
富士フイルムは、今後もさまざまな医療現場のニーズに先進・独自の技術をもっておこたえし、さらなる画像診断の効率化と医療の質の向上に貢献していく。
*1 販売名:回診用X線撮影装置 CALNEO Go/認証番号 : 第225ABBZX00080000号
*2 DR(Digital Radiography)方式・カセッテサイズデジタルX線画像診断装置。「DR方式」は、被写体を通過して照射されるX線エネルギーを電気信号に変換し、X線透過画像として再構成する方式。この方式を用いて、X線画像撮影をするシステムのこと。
*3 Computed radiographyの略。イメージングプレート(IP)に記録したX線画像情報を読み取り、診断目的に合わせて最適なデジタル画像処理を行うことで、高精度のX線画像を生成する、医療用デジタルX線画像診断システム。
*4 同社評価。グリッド格子比8:1の比較評価(CD-RADファントム利用)で、CR方式と比べ約1/4の線量でも同等画質を実現した。
*5 ISS(Irradiation Side Sampling)方式。従来型のFPD(Flat Panel Detector) と反対側のX 線照射面側にセンサーを配置し、X線の照射面側よりX線から変換された光信号を読み取る同社独自方式。
*6 X 線情報をセンシングする性能を高め、かつX線を低ノイズで検出することを可能とした電気回路。
*7 X線が被写体を透過する時に、被写体の中のさまざまな物質によって乱反射したX線のこと。
*8 「Virtual Grid処理」と「ダイナミック処理」は、有償のオプション。
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