フィリップス、表在領域と乳房スクリーニング検査における超音波診断に焦点を絞った「eL18‐4 PureWaveリニアトランスジューサ」「AI Breast機能」を発売

2018.03.20

 (株)フィリップス・ジャパン(以下フィリップス)では、3月20日より、超音波診断装置「EPIQ 7 / 5 Evolution 4.0」と「Affiniti 70 Continuum 2.0」に対応した、「eL18‐4 PureWaveリニアトランスジューサ」「AI Breast 機能」の販売を開始した。

 乳房は主に乳腺と脂肪で構成されるが、乳腺の密度が濃いとマンモグラフィー画像では乳房全体が白く写り、がんも白く写るため、乳腺が多い「高濃度乳房」ではがんを発見しづらくなる。日本では公共政策として対策型乳がん検診を行っており、40 歳以上の女性にマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)検査が推奨されているが、その受診者の約40%が高濃度乳房に分類され、特に40代では高濃度乳房の割合が高いと推定されている*1。日本人女性の乳がん罹患率は40代後半でピークを迎える特徴があり*2、この年代への検診方法として乳房超音波診断が期待されている。国の大規模研究*3では、マンモグラフィーと超音波検査を併用することで早期発見率が1.5倍に高まることが分かった。しかし、検診に加えることで死亡率が減少するか、まだ不明なため、その検証のために引き続き調査が必要とされている。

 新しく販売を開始するAI Breast機能は、今後ニーズの高まりが予想される乳房領域の超音波検査において、乳房スクリーニング検査のワークフローを効率化することにより検査時間を短縮し、さらに検査に客観性を持たせることを目的に開発された。また、同時に販売を開始する、eL18‐4 PureWaveリニアトランスジューサは、乳房だけでなく、甲状腺、血管、腹部、胎児、整形領域等さまざまな部位に対応し、浅部から深部まで均一かつハイクオリティな画像を提供する。

「eL18‐4 PureWaveリニアトランスジューサ」の主な特長

1.1本のトランスジューサで幅広い部位の検査に対応
 ウルトラブロードバンドPureWaveクリスタル(単結晶)テクノロジーと、圧電素子の多列配置による電子elevationフォーカシングにより、浅部から深部まで均一かつ高クオリティな画像を提供する。このため、eL18‐4トランスジューサは、1 本でさまざまな部位に使用することができ、それぞれの部位で高い性能を発揮する。

2.微細な血流を高感度で評価
 微細な血流を、高分解能かつ最小限のアーチファクトで検出するよう設計された MicroFlow Imagingが、高いフレームレートを維持しながらハイクオリティな画質を描出する。

3.エラストグラフィ
 高感度のstrain imagingを得るために外部からの圧迫を必要とせず、さまざまな部位で組織の相対的剛性を評価する際に使用が可能。

「AI Breast機能」の主な特長
 電磁トラッキングコイルを内蔵する新たなPureWaveリニアトランスジューサeL18‐4 EMTと、マットレスに内蔵された「テーブルトップ型フィールドジェネレーター」により、トランスジューサの位置情報が自動的にトラッキングされ、トランスジューサの走査軌跡が視覚的に分かるよう、Body Mark上に軌跡の塗りつぶしをするマッピング機能をもっており、これにより、乳房全体の確実な走査を補助する。さらに、Auto Annotate機能により、ワンタッチで乳頭からの距離と場所(時計軸表示)が自動表示され、その他さまざまな機能とともに、煩雑なワークフローから検者を開放し、検査に集中することが可能になる。

*1 平成29年3月21日「対策型乳がん検診における「高濃度乳房」問題の対応に関する提言」日本乳癌検診学会・日本乳癌学会・日本乳がん検診精度管理中央機構より
*2 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター 最新がん統計
*3 乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験(J‐START)

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