日本メドトロニック、次世代型ペースメーカ「Medtronic AzureTM XT MRIシリーズ」を販売開始 ~ペースメーカとして初めてBluetooth®を搭載:これからの“患者さんと医療従事者が情報通信テクノロジーでつながる医療”(コネクテッドヘルス)へ
日本メドトロニック㈱は、独自に開発された新プラットフォームであるBlueSyncTMテクノロジーを搭載した次世代型ペースメーカ、Medtronic Azure(アジュール)TM XT MRIシリーズ(以下、Azure XT)を2018年5月1日(火)より販売開始した。
Azure XTは、消費電力を抑える高密度集積回路設計により、従来のメドトロニックのペースメーカと比較してデュアルチャンバモデルで最大41%、シングルチャンバモデルで最大40%の製品寿命の延長を実現しており1、生涯におけるデバイス交換の回数を削減することが期待される。また、本製品は1.5テスラ及び3テスラMRI全身撮像に条件付で対応している。
本製品に搭載されたBlueSyncテクノロジーは、Bluetooth® Low Energy(BLE)を用いた低消費電力によるワイヤレスでの遠隔モニタリングを可能にし、タイムリーなアラート送信による臨床的に重要なイベントの早期発見および早期治療介入の可能性を高める。また、患者情報を守るために、送信されるデータは端末相互間で完全に暗号化され、外部からのアクセスを制限することで高いセキュリティ対策を行っている。
さらに、本製品に搭載されたReactive ATPTMは、独自のアルゴリズムにより、心房細動のリズムチェンジを検出し、抗頻拍ペーシングを繰り返し送出することで、持続する心房細動を停止させる可能性を高める。Reactive ATPによる治療介入は、7日以上持続する心房細動のリスクを38%削減することが示されている(p<0.0001)2。心房細動はペースメーカ使用患者群で一般的な併発疾患であり、心不全入院、脳梗塞および全死亡の要因であることが知られている3。
東京女子医科大学循環器内科先進電気的心臓制御研究部門特任教授である庄田守男医師は、「心臓デバイス植込み患者における遠隔モニタリングは、医療経済および臨床関連イベントの早期発見による患者予後改善の観点からその有用性が示唆され、近年急速に拡大しています。現在使用されている一般的な遠隔モニタリングはデータを送信する側(患者)と受信する側(医療従事者)の一方通行の管理が主流となっています。そんな中、BlueSyncテクノロジーを搭載した製品の場合、Bluetooth Low Energyを用いることで、将来的には患者さんご自身のスマートフォン等の患者用アプリを通して心臓デバイスの情報や健康情報を参照できるようになり、患者さんが積極的に参加する双方向性の管理が進むと期待されます。このような遠隔モニタリングの将来性を見据えつつ、本製品はReactive ATPを搭載しており、心臓デバイス植込み患者に多くみられる心房細動の治療に役立つことが期待され、まさに次世代のペースメーカといっても良いでしょう」と述べている。
* Bluetooth®のワードマークおよびロゴは、Bluetooth SIG, Inc.の登録商標であり、Medtronicはライセンス契約のもとに 使用している。
1 「モニタとワイヤレステレメトリ」をOFFの設定でMedtronic Advisaペースメーカと比較した場合Azure longevity. April 2018 Medtronic data on file.
2 Hudnall H. Reactive Atrial-based Antitachycardia Pacing Therapy to Slow Progression of Atrial Fibrillation. August 2017, Medtronic data on file.
3 Chugh S, Havmoeller R, Narayanan K, et al. Worldwide epidemiology of atrial fibrillation: a global burden of disease 2010 study. Circulation. 2014; 129:837-847
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