コニカミノルタ株式会社、胸部単純X線検査において動画撮影を実現する デジタルX線動画撮影システム 〜X線動画解析ワークステーション「KINOSIS(キノシス)」新発売〜
コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山名 昌衛、以下 コニカミノルタ)は、一般X線撮影装置を用いて動画を撮影できるデジタルX線動画撮影システムを開発し、撮影したX線動画を様々な画像処理で診断価値向上に貢献する、X線動画解析ワークステーション「KINOSIS」を発売いたしました。
2018年11月21日は世界COPDデーです。COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)は、主にタバコを原因とした肺疾患で、慢性的に息切れや咳を引き起こして死に至らしめることもあります。WHOは、2030年までにはCOPDが世界の死因の第3位を占めるようになると推測しています。世界的に主要な死亡原因の1つでありながら認知度が低いため、医学会、専門医、患者団体などが協力して、毎年11月中旬の水曜日の1日を世界COPDデーとし、様々なイベントが実施されています。 日本ではCOPDが死因の第10位に入っており、さらに、日本人の死亡原因の1位は「がん」ですが、その部位としては男女ともに「気管支および肺」が1位となっています*1。このように、日本でも世界でも深刻である肺の疾患に対し、広く簡便に行われている胸部X線検査において動画を提供することによって、早期発見と治療に貢献したいと考えています。
デジタルX線動画撮影システムとは
この度開発したデジタルX線動画撮影システムは、新発売のX線動画解析ワークステーション「KINOSIS」と、既発売である可搬型デジタルX線撮影装置「AeroDR fine」で構成されており、従来の胸部単純X線撮影と同様に、一般X線撮影装置での撮影が可能です。なお、一般X線撮影装置としては、(株)島津製作所「診断用X線装置 RADspeed Pro」を採用しています。
このシステムは、アニメーションと同じ原理で、パルスX線を1秒間に約15回連続照射し、コマ撮りした画像を連続表示することで動画を作ります。実際の動きを観察できる胸部X線動画からは、静止画に比べて非常に多くの情報を得ることができます。また、CTやMRIが仰向けに寝た状態で撮影するのに対して、本システムは体を起こした立位で撮影できるため、日常生活における体勢に近い状態を観察できるというメリットがあります。
X線動画解析ワークステーション「KINOSIS」が提供する画像処理技術
コニカミノルタは、現在は静止画しか見られない胸部単純X線検査を動画にすることにより、診断レベルを向上させることができると考えています。この度発売するX線動画解析ワークステーション「KINOSIS」は、コニカミノルタ独自の画像処理技術を搭載しており、様々な情報を医療現場に提供します。
1.“動き”を見える化する
現在、静止画で提供している視認性向上のための画像処理を、動画においても提供いたします。
2.“動き”を定量化する
横隔膜の動きなど、構造物の動きを数値化しグラフ表示させることが可能です。動きを定量化することで、症状や機能評価に今までとは違った視点を導入します。
特に、COPDをはじめとする呼吸器内科系疾患の重症度分類などへの応用を目指したこれまでの臨床研究において、COPD患者の横隔膜の動きが健常者と異なることが定量的に示されており*2、横隔膜の移動量や肺の大きさの変化量が定量指標となることが期待されています。
3.肺組織の“動き”に伴う信号値変化を抽出
肺胞や肺血管など肺組織の挙動に伴う信号値変化を捉え、それをディスプレイ上に表示することで、生体のわずかな動きを表現します。これにより、CTやMRIなどの高度な診断装置を使用する前のスクリーニング段階における単純X線検査でも、一定の機能評価のための情報収集に寄与することが期待できます。
コニカミノルタは、デジタルX線動画撮影システムによって、「単純Ⅹ線検査は静⽌画撮影」という従来常識を変え、スクリーニング検査における診断精度向上に貢献したいと考えており、国内外の連携施設において臨床研究を進め、⽣体機能の⾒える化の実現に向けて、挑戦してまいります。さらに、コニカミノルタ独⾃の画像処理技術により、患者にとって、より効率的な診療を提供し、医療費抑制につながる新たな価値を提供するとともに、ヘルスケア事業の拡⼤を図ります。
X 線動画解析ワークステーション「KINOSIS」標準⼩売価格
22,465,000円(税別)
※サーバー本体、及びモニターの構成価格
お問い合わせ
コニカミノルタジャパン株式会社URL:http://konicaminolta.jp/healthcare/