株式会社フィリップス・ジャパンは「2030年までに30億の人々の生活を向上させる」をビジョンに掲げ、健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアにいたるヘルスケア・プロセスのすべてにイニシアティブを持ち「もっと健やかな未来へ」をコンセプトとして、すべての人の健康に貢献していきたいと努めている。
このたびフィリップスは、本日より新型1.5T(テスラ) MR 装置(磁気共鳴画像装置)「IngeniaAmbition 1.5T」の販売を開始する。ヘリウムフリー1を実現したBlueSeal(ブルーシール)マグネットを搭載し、「さらなる高速化の実現、検査ストレスからの開放、確信が持てる画像診断」のコンセプトにより、MR検査に新たなソリューションを提供する。
医療、科学、産業などの分野で、重要な役割を果たしているヘリウムは、近い将来、供給不足となる可能性が危惧されている。フィリップスは、この貴重な天然資源であるヘリウムが不足するリスクを低減する責任があると考え、ヘリウムへの依存度を低減した超電導型MR装置「Ingenia Ambition1.5T」を開発した。Ingenia Ambition 1.5T は、わずか7リットルのヘリウムで超電導状態を維持するBlueSeal マグネットを搭載し、吸着事故時のクエンチマネージメントやフレキシブルな設置環境といったソリューションにより新しいMR装置の運用を提供する。Ingenia Ambition1.5T は、ヘリウムへの依存度を低減した超電導型MR装置を実現した。
Ingenia Ambition 1.5T は、「さらなる高速化の実現」「検査ストレスからの開放」「確信が持てる画像診断」というコンセプトに基づいたMR 検査を行うことができる。新たに開発されたMicro-cooling(マイクロクーリング)テクノロジーによる高い静磁場安定性、ならびに直線性の高いグラディエントシステムにより、精度の高いMR検査を提供します。また、高速撮像技術であるCompressed SENSEは、50%以上の撮像時間の短縮を実現するとともに、同じ撮像時間で今まで以上の高空間分解能化を図ることが可能となる。また、VitalScreen(バイタルスクリーン)との組み合わせにより患者セットアップの効率化を可能とし、ワークフローの改善が期待できる。ComfortPlus Mattress(コンフォートプラスマットレス)とIn–bore experience(インボアエクスペリエンス)は、寝台上の快適性と映像や音楽によるリラックスした検査環境を作り出し、患者が受ける検査中のさまざまなストレスを開放した検査環境を提供する。
フィリップスの新しいポートフォリオとして登場したIngenia Ambition 1.5T は、ルーチン検査はもちろん臨床研究などMR検査に関わる全ての人をシームレスに結びつけるMR 装置として、幅広いニーズに対応する。
Ingenia Ambition 1.5T の特長
1. ヘリウムフリー1を実現した新設計BlueSeal マグネット
従来のマグネットは、超電導状態を維持するために約1,500リットルのヘリウムでマグネットを冷却する必要があった。これに対し、新たに開発されたBlueSealマグネットは、冷却効率が非常に高いMicro cooling テクノロジーを採用することにより、わずか7リットルのヘリウムで超電導状態を維持することができる(図1)。この7リットルのヘリウムはマグネット内に密封され、クエンチ発生によるヘリウムガスの外部排出が起こらない。このため、MR装置の耐用期間において、ヘリウム充填を必要としない検査運用が可能となる。
2. クエンチマネージメント
EasySwitch Solution(イージースイッチソリューション)という新しいサービス機能が搭載され、一時的に磁場を落とし、その後、磁場を元の状態に戻すことが可能となる。この機能により、予期せぬ吸着事故が発生した場合でも、一時的に磁場を落とし、吸着物を取り除いたあとに自動的に磁場を復旧することができるようになる。また、EasySwitch Solutionによる消磁・励磁を行う際、ヘリウムを補充する必要がなく、コスト負担や検査運用におけるダウンタイムを最小限に抑えることができる。
3. フレキシブルな設置環境
BlueSeal マグネットは、ヘリウムがマグネット内に密封されており、クエンチ時にヘリウムガスが外部に排出されることがないため、ヘリウム排出管(クエンチパイプ)の設置が必要ない。このため、ヘリウム排出管設置における施工コストを削減できる。また、BlueSeal マグネットは従来のマグネットと比較して900kg の軽量化3 が図られている。ヘリウム排出管の必要がなく、軽量化が図られていることにより、MR 装置設置の自由度を高めると共に、MR装置設置における施工コストを低減することができる。
4. 高いパフォーマンスのMR検査を実現
Ingenia Ambition 1.5T はMicro-cooling テクノロジーにより、高い静磁場安定性0.001ppm/hour ならびに傾斜磁場直線1.4%(50cmDSV 時)を実現しており、最大FOV55cm において歪みなく精度の高いMR検査を可能とする(図2)。さらに最新の高速化技術であるCompressed SENSEは、イメージクオリティーを損なうことなく最大50%の撮像時間短縮2を図れる。また、撮像時間を延長せずに60%の空間分解能向上2を図ることもでき、限られた検査時間の中で確信度の高い画像診断を行うための様々なニーズに対応することができる。
5. 快適な検査環境システム
検査中の寝台上での快適性を改善するComfort Mattress、検査進行のガイダンスを行うAutoVoice、静音と画質の最適なバランスを可能にしたComforTone(コンフォートーン)、そして撮像と連動した映像システムIn-bore Solution により、不安や苦痛など検査中の患者様が感じる様々なストレスを軽減する。これらの快適な検査環境により、動きなどの影響による再撮像が70%4減少する。
1 7リットルの液体ヘリウムを使用して超電導状態を維持している
2 Compressed SENSEなしのフィリップススキャンと比較した場合
3 Ingenia 1.5T ZBOマグネットとの比較
4 In-bore Experience Solutionを使用してデンマークのヘアレウゲントフテ大学病院で実施された臨床的顧客調査に基づく
<お問い合わせ先>
株式会社フィリップス・ジャパン
ブランド コミュニケーション部
URL:http://www.bostonscientific.jp/