日立製作所、画像診断関連事業の譲渡を決定

2019.12.18

画像診断関連事業の会社分割および新会社の株式譲渡ならびに
2021年3月期個別決算における特別利益および
連結決算におけるその他の収益の計上に関するお知らせ


 
 (株)日立製作所(以下、日立)は、日立ならびに日立の子会社および関連会社が行っている画像診断関連事業(以下、対象事業)を、吸収分割(以下、本会社分割)により、対象事業を承継させる会社として新たに設立する承継準備会社(以下、新会社)に承継させた後、新会社の株式の全てを富士フイルム(株)(以下、富士フイルム)に譲渡すること(以下、本株式譲渡)を決定した。
 日立と富士フイルムとは、対象事業の事業価値について1,790億円で合意しており、最終的な株式譲渡価額は、対象事業に係る純運転資本額および純有利子負債額により調整を行った上で確定する予定である。なお、本会社分割および本株式譲渡に関しては、国内外の競争法その他の法令等に基づき必要なクリアランス・許認可等の取得が完了することが前提となる。
 また、本会社分割は、日立から100%子会社である新会社に対象事業を承継させる吸収分割であるため、開示事項・内容を一部省略して開示している。

1.本会社分割および本株式譲渡の目的
 日立グループは、画像診断装置や電子カルテなどの画像診断関連事業を国内外で展開している。2016年には、(株)日立メディコおよび日立アロカメディカル(株)の再編を行うなど、事業の強化と効率的な経営体制構築に取り組んできた。
 画像診断関連事業においては、先進国では高齢化や慢性疾患の増加、新興国では経済成長に伴う医療水準の向上などのニーズがあり安定的な成長が見込まれている一方で、業界再編の進展やグローバル競争の激化により、事業規模の拡大がますます重要になっている。こうした中、日立は、補完性の高い販売チャネルや画像処理などの優れた技術力を持つ富士フイルムに対象事業を譲渡することが、さらなる成長と競争力強化のために最適であると判断し、本株式譲渡を行うことを決定した。
 今後、日立のヘルスケア事業では、既に60,000人以上の患者が治療を受けるなど、高い信頼性と実績を有する粒子線治療システム事業のグローバル展開や、病気の早期発見が可能な体外診断システム事業の強化を行い、将来に向けては再生医療に関する知見を活用した細胞製造ソリューションの提供を拡大する。また、医療と介護データの連携基盤や、AIやアナリティクスを用いた新サービスなど、IT分野における高付加価値サービスを引き続き提供していく。さらに、強みであるデジタル技術を基盤としてグループ全体でヘルスケア事業を展開することで、社会価値、環境価値、経済価値の創出に貢献することを目指す。

2.本会社分割および本株式譲渡の要旨
 (1)本会社分割および本株式譲渡の日程

 

 
(2)本会社分割の方式
 日立を分割会社とし、新会社を承継会社とする吸収分割である。

(3)本会社分割に伴う新株予約権および新株予約権付社債に関する取扱い
 日立が発行した新株予約権の取扱いについて、本会社分割による変更はない。
 日立は、新株予約権付社債を発行していない。

(4)本会社分割により増減する資本金
 本会社分割による日立の資本金の増減はない。

(5)その他
 その他の本会社分割の詳細については、決定次第の報告となる。

3.本会社分割の当事会社の概要
 

 
4.分割する事業部門の概要
(1)分割する部門の事業内容

 画像診断システム(CT、MRI、X線診断装置、超音波診断装置等)、電子カルテ等の研究開発・製造・販売・保守サービス

(2)分割する部門の経営成績
 売上高1,432億円(2019年3月期実績)

(3)その他
 その他の分割する事業部門の詳細については、決定次第の報告となる。

5.会社分割後の状況
 日立の名称、所在地、代表者の役職・氏名、事業内容、資本金、決算期については、いずれも本会社分割による変更はない。
 新会社については、「3.本会社分割の当事会社の概要」に記載の通りである。

6.今後の見通し
 本会社分割および本株式譲渡により、2021年3月期の個別決算における特別利益として、関係会社株式売却益約1,070億円を、同期の連結決算におけるその他の収益として、事業再編等利益約1,110億円を計上する予定である。

 
<将来の見通しに関するリスク情報>
 本資料における日立の今後の計画、見通し、戦略等の将来予想に関する記述は、日立が現時点で合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等の結果は見通しと大きく異なることがあり得る。その要因のうち、主なものは以下の通り。

 ・主要市場(特に日本、アジア、米国および欧州)における経済状況および需要の急激な変動
 ・為替相場変動
 ・資金調達環境
 ・株式相場変動
 ・原材料・部品の不足および価格の変動
 ・長期契約におけるコストの変動および契約の解除・信用供与を行った取引先の財政状態
 ・製品需給の変動
 ・製品需給、為替相場および原材料価格の変動並びに原材料・部品の不足に対応する当社および子会社の能力
 ・新技術を用いた製品の開発、タイムリーな市場投入、低コスト生産を実現する当社および子会社の能力
 ・人材の確保
 ・価格競争の激化
 ・社会イノベーション事業強化に係る戦略
 ・企業買収、事業の合弁および戦略的提携の実施並びにこれらに関連する費用の発生
 ・事業再構築のための施策の実施
 ・持分法適用会社への投資に係る損失
 ・主要市場・事業拠点(特に日本、アジア、米国および欧州)における社会状況および貿易規制等各種規制
 ・コスト構造改革施策の実施
 ・自社の知的財産の保護および他社の知的財産の利用の確保
 ・当社、子会社または持分法適用会社に対する訴訟その他の法的手続
 ・製品やサービスに関する欠陥・瑕疵等
 ・地震・津波等の自然災害、感染症の流行およびテロ・紛争等による政治的・社会的混乱
 ・情報システムへの依存および機密情報の管理
 ・退職給付に係る負債の算定における見積り
 

●お問い合わせ
株式会社日立製作所
https://www.hitachi.co.jp/