日本におけるメドトロニックの3法人のひとつであるコヴィディエンジャパン(株)は、令和2年度診療報酬改定において、2020年4月1日から、大腸疾患の診断に用いられる「PillCam™ COLON 2 カプセル内視鏡システム」(大腸用カプセル型内視鏡)について保険適用の範囲が拡大された。
令和2年3月5日保医発0305第1号「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)」において、大腸内視鏡検査のうちカプセル型内視鏡によるものについては、これまでの算定要件に加えて、大腸内視鏡検査が必要であるが、同通知別添1に挙げる5つの病態・疾患のいずれかに該当し、身体的負担により大腸ファイバースコピーが実施困難であると判断された患者に用いた場合に適用となることが公示された。
【厚生労働省ホームページ 令和2年度診療報酬改定について】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00027.html
第3関係法令等
【省令、告示】(それらに関連する通知、事務連絡を含む。)
(2)3 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)
別添1 医科診療報酬点数表に関する事項
(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603981.pdf)D313 大腸内視鏡検査
(2)-ウ(P336-337)
今回の大腸カプセルの適用拡大について、日本カプセル内視鏡学会 名誉理事長 東京慈恵会医科大学 田尻久雄先生は、「日本カプセル内視鏡学会(理事長:広島大学 田中信治先生)は、大腸がん検診陽性患者の精密検査受診率を向上させるための保険適用拡大を長期に渡って要望した。国内における大腸がんの罹患者数及び死亡数も増えており、消化器がん検診学会の全国集計によると、日本における大腸がん検査の受診率は低く38%程度で、陽性となり精密検査が必要にも関わらず検査を受けていない人が 42%もいる状況で、最新がん統計をみても死亡率は男女合わせると肺に次いで2位となっている。特に大腸がん死亡率が1位となっている女性にとって低侵襲なカプセル内視鏡検査が保険診療として受診しやすくなることは今後の医療にとって重要な意味を持つことになるでしょう。」と述べた。
【PillCam COLON 2 カプセル内視鏡について】
「PillCam COLON 2 カプセル内視鏡」(CCE)は大腸疾患の検査・診断機器として日本国内では「大腸用カプセル型内視鏡」として2014年1月から保険適用になった。CCE には、2つの小型カメラ、バッテリー、LED光源が装備され、サイズは約12mm×約32mmだ。患者がCCEを飲み込むと、腸管内部を筋肉が収縮する蠕動(ぜんどう)運動によって進みながら約10時間にわたって最高35枚/秒の画像が撮影され、患者の体に貼り付けたセンサを経由して肩にかけた記録装置に転送される。検査後はこの記録装置から専用のコンピュータにデータを転送し、RAPID™ ソフトウェアによってビデオ画像として編集されたデータを専門医師が評価・報告することができる。
●お問い合わせ
株式会社コヴィディエンジャパン
URL:www.medtronic.co.jp