一般社団法人 日本画像医療システム工業会(以下、JIRA)は5月26日、「2020年度JIRA活動基本方針」について報告を行った。
今年度の活動基本方針は、昨年も発表された「JIRA画像医療システム産業ビジョン2025」にある4つのビジョンの実現を目指し策定された。
1.社会の変化に先駆けた世界をリードする医療イノベーションを実現する。
超高齢社会の課題である「健康寿命の延伸」には、早期診断・低侵襲治療を支援するモダリティ・機能の提供などが重要である。JIRAは以下を積極的に取り組んでいく。
・医療保険制度、医療法、薬機法などに関する行政の提言
・他団体との連携、啓発活動
・画像医療システム産業の裾野の拡大
2.革新的なデジタル技術の活用により、医療の質向上と医療機器産業拡大に貢献する。
革新的なデジタル技術の活用は、画像医療システム産業が新たな時代構築の先駆けとなっていくことが想定される。JIRAは以下を積極的に取り組んでいく。
・画像医療システムへのAI(人工知能)活用基盤整備
・IT産業、医療系ベンチャー企業の支援
・医療従事者の生産性向上に寄与する機能拡充への支援
3.日本の優れた医療、医療システムを世界に提供し貢献する。
画像医療システム・サービスの国際展開には、地域の医療機器に関する規格・制度への対応など様々な情報収集が重要である。JIRAは以下を積極的に取り組んでいく。
・標準化(ISO・IECなど)活動の推進
・医療機器に関する規制の国際調和推進(IMDRF・DITTA活動への参画)
・海外進出支援
4.社会・自然環境の変化に適応したシステムの提供により、安全・安心で安定した医療を実現する。
日本の医療技術・医療機器システムは「安全・安心で安定した医療の実現」に貢献してきているが、近年、労働人口の減少等の社会環境変化や、地球温暖化等の自然環境変化への適応が重要度を増してきている。JIRAは以下を積極的に取り組んでいく。
・医療環境を阻害するリスク(感染など)への対応の啓発
・装置メンテナンスに関する価値の訴求
・環境負荷の低い省エネ型システムへの移行促進
JIRAは、4つのビジョンを実現するための基盤として、以下の活動について充実を図る。
・コンプライアンスに関わる啓発活動の推進
・JIRA会員へ提供する価値の向上(企業人材育成を支援するセミナーの充実など)
・既存活動の継続的推進(広報活動の強化、薬機法に基づく継続的研修の開催など)