富士フイルムメディカル株式会社(社長:川原 芳博)は、CT・MRIなどの断層画像から高精度な3D画像を描出するボリュームアナライザー 「SYNAPSE VINCENT(シナプスヴィンセント)」の最新バージョンとして「SYNAPSE VINCENT Ver.6.1」を、8月18日に発売する。
「SYNAPSE VINCENT」は、CTやMRIなどの断層画像から高精度な3D画像を描出し、解析を行う3D画像解析システムである。2008年に心臓・肝臓解析機能を中心としたシステムとして発売して以来、呼吸器、頭部、泌尿器など、解析機能の適応領域を順次拡大し、2018年には膝関節など整形外科領域の解析も可能になった。「SYNAPSE VINCENT」は、多様化する医療現場のニーズに対応した3D画像解析システムとして、診断や治療の場で広く活用されている。
今回提供を開始する「SYNAPSE VINCENT Ver.6.1」には、富士フイルムが「REiLI(レイリ)」というブランド名称で展開しているAI技術(ディープラーニング)を活用して設計したアプリケーションを搭載した。特長的な3つの新機能は以下の通りである。
(1)膵臓自動抽出機能
肝胆膵外科・消化器外科の高いニーズに応え、抽出が難しいとされる膵臓のセグメンテーションが可能である。
従来は手動かつ熟練度に依存していたが、AI技術を活用し設計したセグメンテーション機能で、膵臓と周囲の血管や臓器との位置関係を明瞭に抽出することができる。これにより、肝胆膵領域の術前シミュレーションの幅が広がる。
(2)MRI腰神経抽出機能
MRIの画像から自動で腰神経のみを抽出でき、CTの骨画像とMRIの腰神経をフュージョンすることで、骨と神経の位置関係が確認できる。
例えば腰椎すべり症の手術においては、骨と神経の位置関係を把握し適切な手術方法の選択に役立てることができる。
(3)脳区域解析機能
MRI 画像から解剖学的に一意に決まっている区域(15 区域)を自動で抽出し、体積の定量化などを行うことが可能である。
将来は臨床現場の意見を取り入れ、アルツハイマーなど脳が萎縮する脳疾患の治療への応用を検討していく。
「SYNAPE VINCENT Ver.6.1」は、富士フイルムのPACS「SYNAPSE」等と連携することで、多様化する医療現
場のニーズに対応していく。富士フイルムは、今後もAI 技術を活用して設計した解析機能を開発・提供す
ることで、画像診断における診断支援やワークフローの改善に取り組んでいく。
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