●日本初のスマートフォン両OS対応(iOS・Android)となる植込み型除細動器(ICD)「Gallant ICD」および両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)「Gallant HF」 を同時発売
●独自のスマートフォンアプリを通じて、24時間365日の遠隔モニタリングが可能に
●自宅設置のトランスミッターが不要になり、患者さんが外出中に起きた心疾患イベントも早期に把握でき、早期の治療や対応が可能に
2020年10月27日、アボットメディカルジャパン合同会社は、植込み型除細動器(Implantable Cardioverter Defibrillator:ICD)であるGallantTM ICD、および両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(Cardiac Resynchronization Therapy Defibrillator:CRT-D)であるGallantTM HFを発売した。
日本初のスマートフォン両OS対応ICDおよびCRT-D GallantTM ICD、およびGallantTM HFは、日本で初めてとなるスマートフォン両OS対応(iOSおよびAndroid)のICDおよびCRT-Dです。
両製品は、スマートフォンの低消費電力Bluetooth(BLE)機能を使用することで、患者さんのスマートフォンと連携します。デバイスの状態や情報をスマートフォン上の独自アプリ「myMerlinPulseTM」を通じて、暗号化された状態で「Merlin.netTM」遠隔モニタリングサイトに送信します。これにより医療従事者は、患者さんの外出時を含めた24時間365日の遠隔モニタリングが可能になり、臨床関連イベントの早期発見につながります。
患者さんは、「myMerlinPulseTM」アプリ上で、心臓デバイスの状態を確認したり、データ送信履歴を確認したり、手動でデータを送信することが可能です。継続的な遠隔モニタリングにより、患者さんと医師のお互いの関与を高め、効率的なコミュニケーションが可能になります。また、別個にトランスミッターを設置しなくても、常時医療従事者とデータを共有できるため、外出や旅行への心理的負担も軽減されます。特に宿泊を伴う外出の際にも、行動を共にするご自身のスマートフォンを使用して遠隔モニタリングが可能になります。
さらに性能面において、いままで以上に設定の柔軟性が向上したSyncAVTM Plus CRTテクノロジーにより患者さん一人一人に個別化された治療が提供可能となります。またアボット独自の識別機能であるVF Therapy Assuranceにより、難しい心室性不整脈の検出および治療の向上を実現し、ShockGuardTMテクノロジーを採用したICDによる不整脈の検出により不適切な治療を低減しました。
近畿大学病院心臓血管センター長の栗田隆志教授は、次のように述べています。「致死性不整脈および心不全の治療においては、いかに早期に臨床的イベントを把握し、治療を行っていくか、という点が非常に大事であると同時に、機器の状態を正確に把握することが求められます。また患者さんに安心して治療を受けてもらうことが、治療効果を上げるために非常に重要です。アボットのGallantおよびスマートフォンアプリmyMerlinPulseの組み合わせによって、患者さんのよりリアルタイムで正確なモニタリングが可能になり、適切な治療につながると考えています。昨今、スマートフォンは高齢者にとっても身近になりつつあるものです。今後もこのような技術を患者さんの治療およびQoLの向上に役立てていければと考えています。」
ICDおよびCRT-Dについて
ICDは、心室頻拍や心室細動など、致死性の不整脈において、心拍数があらかじめ設定された基準を上回ると、電気的な刺激を与え正常な心拍に戻ることを補助します。また、ICDにはペースメーカーの機能も備わっており、心拍数が低い場合にも作動します。
CRT-Dは、通常のペースメーカー機能に加えて心不全治療機能のCRT(心臓再同期療法)*と致死性の不整脈(心室頻拍、心室細動)を治療するICDの機能を搭載した植込み型の治療機器です。
*重症心不全に対するペースメーカー療法。ペースメーカーを使って心臓のポンプ機能の改善をはかる治療方法で、心臓のポンプ機能(特に左心室)に何らかの障害をもった患者さんに対して用いられます。
myMerlinPulseTMアプリについて
myMerlinPulseTMアプリは、心臓に植え込まれたデバイスの情報をモバイルネットワークもしくはWiFiで受信し、自動的・定期的にネットワーク上にアップロードします。主な機能は以下の通りです。
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アボットメディカルジャパン合同会社